レポート!グラフトプレナー×SLUSHTOKYO イベント#15
グラフトプレナー(家業を活かして新しい価値を生み出そうとしている人たち)の後押しや、コミュニティを作るために行なっているイベント「グラフトプレナー × SLUSH TOKYO」。8/23(金)に開催された第15回目のイベントの様子をレポートします。
イベントは今回も永田町にあるGRiD 1Fのtiny peace kitchenで開催。
素材にこだわった色とりどりのフィンガーフードが並びます。
今回のゲスト、藤井裕士(ふじい・ひろし)さんの登場です。
現在は家業だったミヤコ商事株式会社を含む三社の代表取締役を務めていらっしゃいます。
サラリーマン時代を経て、父親の家業を継いだ藤井さん。なぜ家業を売るという選択をしたのでしょうか?社長になってから家業を売却するまでのお話を30分にわたって聞かせていただきました。
「世襲は悪だと思っています。本当は別の道に進みたかったかもしれない子供達の人生を『世襲』で縛るのは良くない。能力がないにも関わらず息子だからといって社長と呼ばなきゃいけない従業員のことを考えると切ない。」
強い言葉で、藤井さんのトークは始まります。
「だから、自分が社長になった時、『世襲は断ち切る。この会社の中でもっとも優秀な人材を社長にして、この会社を家族のものではなく、みんなで運営できるものにしよう』と決意していました。」
それでも、紆余曲折を乗り越えてきた社員たちとの強い結束がありながら、家業を売る選択をするのは大きな決断だったのでしょう。しかしそれは、社員たちやその家族の人生を考えるからこその決断でもありました。
「会社を売るという話って、普通は社員に伏せて進めるものだと思う方がいるかもしれません。でも、僕はそういうのは嫌でした。なので、売却の話をする時は常に一番若い社員を同席させていました。これから会社ともっとも長い時間を共にする彼らが良いと言わなければ売らないという選択をしてもよいし、全て包み隠さず話そうと決めていたのです。」
社員たちとの話し合いを重ね、会社を売るとなった時、承認を得なければならない最後の一人は、自分の父親です。
売却の話をいざしてみると、息子である藤井さんの意志はすでに父親に伝わっていました。そして、それまで代表取締役として隣に居続けた父親の本当の気持ちを知ることができたのだといいます。
それは奇しくも、藤井さん自身と同じ「世襲は断つ」という想いでした。
その信念を貫くことで、家業を新たな形へ昇華させ、一緒に働いてきた社員たちは、さらに良い仕事や働きかたを目指せるようになりました。
参加者のみなさんが真剣に聞き入る様子が印象的だった30分間のトーク。
また一つ、新しい家業との関わり方を知る機会となりました。
トークの後は「MANDA」代表の森田洋輔(もりた・ようすけ)さんのピッチも。
「価値ある事業を一つでも多く未来へ繋げる」をミッションに掲げる日本初のM&A検索エンジンMANDAは、手軽に家業の価格算定を行うことができたり、様々な分野の専門家を紹介したりしてくれるサービスがあり、家業を次のフェーズへと進める後押しをしてくれます。
今回、イベント参加者限定で事業承継の無料個別相談会を開いてくださることに!
ネットワーキングタイムでは、フードやドリンク片手に藤井さんとお話をしたり、家業を持つ者同士情報交換をしたりする姿も見られました。
最後は毎回恒例、ゲストと参加者で記念撮影!
次回は、前回大好評だったテーマ「家業 x クラウドファンディング 」の第二弾を開催!
クラウドファンディングの世界で活躍してきた2人のゲストから、家業の思いを繋ぐ方法、家業を活かして新たなビジネスを作る方法を、実例を通して語っていただきます。
もちろん家業をお持ちでない方も大歓迎。
グラフトプレナー × SLUSH TOKYO イベント#16は、10/7(月)開催。
チケットはこちらから!
*本イベントは終了いたしました。
「家業」にまつわる課題・機会に興味がある
当事者の方、支援する方は覗いてみてください:
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