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【インタビュー記事】Apple Vision Pro向け視線入力タイピングゲーム『Ninja Gaze Typing』の制作背景

Graffityは、東京拠点のARエンタメスタートアップです。ARシューティングバトル「ペチャバト」をはじめとするARゲームの企画・開発および「最短3ヶ月で“心動かす”ARエンタメ」をコンセプトにAR技術に特化した新規事業の企画・開発・運用改善を支援する「Graffity AR Studio」を運営しています。

Apple Vision Pro向けのSpatialゲーム『Ninja Gaze Typing』をリリースしました!
Vision Proが発売されAR業界も大きく盛り上がっております。GraffityもARエンタメスタートアップとして様々なユースケースを作るため、月一本のアプリリリースを目標に世界で一番Vision Proのアプリを出している会社を目指します。
今回は第一作目の『Ninja Gaze Typing』を開発に携わったチームメンバーのインタビューを交えご紹介します。

『Ninja Gaze Typing』のダウンロードはこちらから!

▪️『Ninja Gaze Typing』の開発メンバー
PM
COO/GAME DIRECTOR 斉藤 翔太
デザイナー
髙村 純一
エンジニア
小林 慶祐、TK

PMに聞く、『Ninja Gaze Typing』の制作背景とは?

ー『Ninja Gaze Typing』はズバリどんなアプリですか。
ズバリ、「視線入力」という新しいインターフェースでタイピングを練習するためのアプリです。

ー『Ninja Gaze Typing』をローンチタイトルに当てた理由を教えてください。
古くはパソコンの登場、最近ではスマートフォンの登場など新しいデバイスとともにキーボードやフリック入力などのインターフェースが生まれてきました。そういった背景がある中、初めてApple Vision Proを体験した時に、ゲイズ入力がフリック入力に次ぐインターフェースになると感じました。 スマートフォンが登場した時も数多くのフリック入力練習アプリがリリースされ、たくさんのユーザーに使われました。ゲイズタイピング練習アプリもフリック入力と同様にVision Proの初期の体験とすごく噛み合うのではないかと思い作りました。

ー『Ninja Gaze Typing』のアピールポイントを教えてください。
遊んでいるとある瞬間からすごくスムーズに入力できるようになって楽しいです。間違いなく上達できると思います。

ーGraffityの方針として月1本アプリのローンチを目標としていますが、Vision Proアプリの今後の展望や取り組みたいことを教えてください。
コントローラーへ全く依存せず、これほど高い精度で操作を可能とするMRデバイスはありませんでした。そういった直感的な操作を活かした体験は積極的に作っていきたいです。ペチャバトから作ってきた、体を動かして楽しむことの延長線上にある体験をVision Proでも作りたいですね。加えて、今後ユーザー増えたときのことを見据え、マルチプレイによる体験も作りたいです。 GraffityはARをコミュニケーションの手段として捉えており、マルチプレイによるAR体験にこだわってきました。そのためにVision Proも2台購入しました。

マルチプレイシューティングゲーム『ペチャバト』

デザイナーに聞く、Vision Proアプリのデザインで意識したこととは?

ー『Ninja Gaze Typing』のコンセプトやデザイン上のアピールポイントを教えてください。
コンセプトに関しては日本の会社であることをアピールするために、日本モチーフかつ、グローバルで認知されている『Ninja』を選定しました。
また、デザインやレイアウトはVision Proをどのように感じてもらえるかということへ特にこだわりを持って制作しました。空間に広がっているワクワク感を伝えられるかと言う点を特に重視しています。
例えば多くのユーザーがスマートフォンやTVゲーム機など映し出される3D的なゲーム画面に慣れているかと思いますが、表示されているのはあくまで平面上です。そうではなく、目の前に表示されるオブジェクトが本当に立体的に見える状態を作ることを重視して空間の広がりや奥行き感がある配置を考えています。

『Ninja Gaze Typing』空間の広がりを感じられるオブジェクト配置

ーGraffityの方針として月1本アプリのローンチを目標としていますが、デザイナー目線でのVision Proアプリの今後の展望や取り組みたいことを教えてください。
今回Vision Proアプリにトライできたのは良かったですが、その上でトライできていない部分もまだまだあります。Vision Proの高精細なグラフィックだからこそできる「高品質な質感表現」「入力に対して空間がどのようにフィードバックを返すか」といった、空間コンピューティングならではの「情報との新しい接し方」を、さらに追求し取り入れていきたいと考えています。 Spatial Computing時代だから可能な、平面的な画面のデザインに囚われない表現に今後も挑戦していきたいです。

エンジニアに聞く、Vision Proアプリ開発のノウハウ

ー『Ninja Gaze Typing』の開発環境を教えてください。
小林:
Apple Siliconを搭載したMacとXcode, Unityの Vision OS開発用フレームワークPolySpatialを使用しています。

ー Poly Spatialの良かった点、苦労した点を教えてください
TK:
苦労した点は開発ノウハウがどこにもなかったところです。使える情報が公式のフォーラムとサンプルプロジェクトしかなく、サンプルプロジェクトのコードから使えるコンポーネントを探してMeta Quest Proで開発した『Ninja Gaze Typing』のデモをVision Proへ移植していきました。

小林: Swiftと比べてUIがすごく作りやすいのは大きいかなと思います。Unityで言うところのシーン、Swiftで言うところのビューといったものがありますが、Unityはシーン単位で見た目が作ることが可能で、遷移の部分もSwiftで作ると一癖も二癖もあるコードを書かなければならない。そう言った部分ではUnityに分があるなと感じています。あとは、XcodeのReality Composerと比べても3Dの配置はUnityの方が楽じゃないかなと思います。

ーVision Proアプリを開発をした感想を教えてください
TK: まず、移植は意外と簡単にできるなと思いました。しかし、まだARを使った機能はちゃんと使いきれていないので、その辺りは今後使っていかないといけないと思います。まだ対応していないAR機能がUnityでも使えるようになれば、もっとすごいものが作れるようになると感じています。空間を認識してメッシュを貼り当たり判定をつける。そういったことができるはずなので期待しています。

ーGraffityの方針として月1本アプリのローンチを目標としていますが、今後開発環境が充実しできることが増えていく上で、エンジニア目線でのVision Proアプリの今後の展望を教えてください。
小林:
Vision Proでマルチプレイの要素が追加されているようなので、MRならではのマルチプレイみたいなものは今後チャレンジングなトピックであると考えています。 あとは、Vision Proの空間に配置するアンカーの精度が優秀で、アンカーを配置した位置からカメラが一度離れてもその場所にアンカーを保持し続けることができます。アンカー精度が上がったことにより空間にオブジェクトを固定するとか、特定の位置を利用してオブジェクトを表示するようなコンテンツが作れればと考えています。

アンカー配置のイメージ

まとめ

今回はApple Vision Pro向けアプリ『Ninja Gaze Typing』の社内制作インタビューをまとめました。

Apple Vision ProはAR業界のゲームチェンジャーです。
3-4年で大きく伸びるマーケットだと捉えています。
デバイスが出てきた以上、日本にいるスタートアップや大企業は、ユースケースを発明し、グローバルでシェアを取れるアプリケーションを開発することが大きなミッションになります。

Graffityはミッションである「ARで、リアルを遊べ」を軸に、ARならではのエンタメ体験を追求し続けており、Apple Vision Proを活用したARエンタメコンテンツも制作していきます。

これまでに、世界初の技術を使用したARシューティングバトル「ペチャバト」をリリースし、累計25万ダウンロードを突破、運用型ARシューティングバトル「Leap Trigger」の米国にリリースするなど、ARエンタメ業界の発展に寄与しています。

現在は、C向けのプロダクト企画・開発の知見を活かし、AR技術に特化した新規事業の企画・開発・運用改善まで支援するスタジオ「Graffity AR Studio」も運営しております。実績として、NTT コノキュー社と連携し、ARアプリ「LOST ANIMAL PLANET」の企画・開発・運用を行っております。

ARグラスやMRヘッドセットを活用した企画・開発の実績もあり、Apple Vision Proを活用し、ユースケースを企画・開発したい企業の方々ぜひ弊社にお問い合わせください。

ARの新しいユースケースを発明し、AR業界を牽引していくGraffityに興味ある仲間も募集中です!


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