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コンテキストをどう伝えるか。新規プロダクトのリモート制作のポイント #ちょっとGraffity

デザイナーのでなりです!

STAY HOME。Graffityでも「いのちだいじに」ということで3月末からリモートワークを実施しています

一方Graffityではいま、新規のプロダクトづくりが走っていて、「小さな会社」「0→1の企画 + 開発」「ARという過去事例も少ない状況」という"どうみてもコミュニケーションが大事"という条件下でのリモートワークはやはり難点が多かったです。

いろいろ苦労したポイントはあったのですが、一番苦労したのはやはり「あらゆるコンテキストをチームに浸透させる」だったなと思っています。今回はそれについて少し書こうかなと思います!

リモート開始後 - 「これどうなってるの?」

リモートワークを開始した直後、僕らはかなりすんなり仕事を始められたように思います。実際僕らのなかでも「通勤時間が減ってQoLが上がった」「作業環境が整い始めて最高」といった意見が多くでました。

作業環境が整い、たくさんの企画・たくさんの実装が生まれていったある日。突如ディレクターのしょーたさんからどっさり仕様書が降ってきます。

そこで一番面食らったのはデザイナー、つまり僕でした。仕様書にはたくさんの機能について、「これはこう操作する」とUIの遷移が事細かに書かれていました。一方デザイナーである僕はこれについて一切感知をしておらず、自分の全く知らないところでデザインが固まろうとしています (後述ですが、実際はそう見えただけでした)。

その場の解決手段 - 「意図のヒアリング」と「期待値調整」

言ってもこの問題はデザイナーあるあるだと思います。これは機能企画をするときのプランナー・ディレクターとUXデザイナーの役割のかぶりの話であり、どの職場においてもよく聞く話だなと思っています。

この問題、やっぱり解決手段は対面でのコミュニケーションと同様、「なんでこれこうしたの?」という意図のヒアリングと、「ぼくはもうちょい自由度を持ってデザイン作業したい〜!」という期待値の調整に尽きました。

実際「UIをこうしたい!こんなイメージ!」の意図を聞くと、理にかなっている部分が多かったように思います。企画側の思いのこもったアウトプットであることが肌で理解できました。

また、期待値に関しても、リモート以前も対面でずっと働いている相手なので理解してもらえていて、「これはあくまでもイメージだから、自由にやってね!」と言ってもらえました。自分のスタイル通り仕事ができそうです。

「この件は一件落着!」とはおもいつつ、半年以上一緒に働いていてもこういったすれ違いが起きることがわかり、Graffity内でコミュニケーションに関する意識の向け方が変わるきっかけになりました。

リモート実施前 - 「これちょっと見て〜」

おもえばリモート実施前は良かったと思っています。仕様書を一本書いたり、デザインをちょろっと1画面作ったりするごとに、横の席にすわるしょーたさんに話しかけることができました。これにはたくさんのメリットがあったねと、二人で話になりました。

早期の段階で企画・仕様の方向性チェックができる
前提条件を共有が細かくできる
・作業者間でのボールの持ち方を気持ちよく議論できる

方向性・前提条件・ボールの持ち方 etc...

リモート実施前は、対面の「これちょっと見て〜」なコミュニケーションにより、こういったあらゆるコンテキストを細かく共有しあえていたのです。

しかしリモートワークになり、細かくコミュニケーションすることができなくなった代償として、コンテキスト共有がなかなか大変になってしまい、仕事がしづらくなってしまった。

コンテキストをうまくメンバー間で伝えあうことこそ、新規プロダクトをつくるチームにおけるリモートワークでもっとも重要なことだと気付かされました。

解決策1 - 「常駐型」の音声チャットツール導入

コンテキストを伝えあうことが大事、つまり会話するしか正直よい手がないといったところだと思います。もちろんSlack上でコミュニケーションするだけで十分なこともありますが、特にディレクターとデザイナーと言った、連携が必要な職種間ではなかなか文字のコミュニケーションは手間取ります。

そこでGraffityで効いたのは、"常駐型"の音声チャットツール「Tandem」の導入でした。

このサービスの特徴は下記です
・常にアプリ自体は起動しておく
・必要であれば「ROOM」と呼ばれる部屋に入る
・入ると同ROOM内の人と会話できる
・ROOM内に人を呼び出しできる (呼び出し直後はその人はMuteになる)

ZOOMやGoogle Meetとの違いとして、「会話するときだけアプリを起動」ではなく、常に起動されている「常駐型」である点がもっとも有効だったなと思っています。 (同じく常駐型のVCツールに「Discord」があります。)

常にチームメンバー全員がGraffity TeamのTandemにオンラインになっていれば、その人を気軽に誘い、会話をし始められます。これはまさに対面で行っていた「これちょっと見て〜」と等しいといえるでしょう。

Tandemの導入・常駐型VCツールの導入により、コミュニケーションがより始めやすくなりました。今でもなにか議論・確認点が出てきたら、さかんに「じゃあ、Tandemの○○ROOMに集合!」とサクッと呼びあってます。

解決策2 - 「話したい!」をためらわない

コミュニケーションが始めやすくなったので、企画を早期にチェックしてもらう + 壁打ちしてもらうクセがしっかりつきました。

新規プロダクトは、実装・企画・想定ユーザー・ビジネス要件 etc... と考えるべきことがたくさんあります。

なので「ひとまず自分で考えて、あらゆる条件を整理しきってから人に聞く」ではなく(もちろん、全く考えてないのに議論を始めるでもなく) ちょうどよい、早期のタイミングでの議論開始が効率化のカギになります。

これは普段のプロダクト開発でも意識させられる場面が多いですが、対面だとなんとなくでコミュニケーションを取れることもしばしばあります。

特に企画・デザイン業をしていて、一定議論によるレビューが必要な職種に関しては、「話したい!」と人に申し出るのをためらわないようにしてしまって良いと思います。

もちろん、不毛気味な話をわざわざ会話相手の作業を遮ってまでしてしまうリスクはありますが、そこは「Done is better than perfect」な気持ちで割り切っていいのかなというのが僕の見解です。

解決策3 - 定例の「時間枠」を設ける

さすがに上記の2つを実施すると、「アグレッシブに情報を取りにいける役割の人」にとってはすごく働きやすい環境になるかと思います。

しかし、全てのメンバーがそうとは限りません。目の前の作業に追い込まれ、コンテキストに置きざりにされるメンバーが出てくる…という構図はどのチームでもあるあるだと思います。

それを防ぐには、「全員がコンテキストをキャッチアップできる時間」をつくりだすことがもっとも簡単かと思います。

Graffityではシンプルに、毎日(後述)17:00 - 18:00に「仕様書MTG」を行っています。仕様書MTGでは、「ディレクターが作った仕様書を紹介」 or 「デザイナーが作った画面を紹介」というのを、1日1時間で行うものです。

ただ、こういった定例MTGには「形骸化」がつきものだと思っています。

なので、Graffityでは、当日のその時間の前までに「MTGで扱うべき仕様書があれば開催」「なかったら別にスキップでもいい」「そのかわり、時間だけは必ず開けておく、他のMTG・予定を入れない」という手法をとっています。

やりたいことは「コンテキストの共有漏れをなくすこと」なので、時間の「枠」だけは確保しつつ、必要以上のMTGの実施には気をつけます。「これはやったほうがいいね」「これは別にやらなくて良さそう」とメンバー間で相談して、仕様書MTGを行う or 行わないようにしてます。

まとめ

新規プロダクトを作るチームにおいて、もっとも大事なのはいろんなコンテキストをうまく伝え、共通理解を作ること。Graffity前者でリモートワークを実施してそれを改めて実感しました。

リモートワーク実施で効いた3つの施策
・「常駐型」の音声チャットツール導入
・「話したい!」をためらわない
・ 定例の「時間枠」を設ける

リモートで働いている人でなにか違和感を感じている人がいれば、ぜひ一度真似をしてみてほしいなと思っています!

おまけ - 仲のいいチームと心理的安全性

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この間の月次の締め会で、最近話題のZOOM飲み会を行いました。みんなでお酒を飲みながら、同じゲームをプレイしたり、家の作業環境の話をしたりと、打ち解けあえる時間が取れたかなと思います。

上記のリモートワークの3つの施策は、その実施よりも前にまず、楽しく働けるチーム、仲のいいチームであることが大事かなと思っています!

こんな情勢だからこそ、すこしチーム内で打ち解けて心理的安全性を確保し、その上でコンテキスト共有のための施策を実施するのが大事なんだろうなと、自分たちのチームを見て感じた締め会でした!

・・・

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