増えるゆたかさ
初めてテーマがあって記事を書く。でも実は、「豊かさ」を少し前から感じていた。このテーマを見るまでは感じていたことが豊かさだとは思ってなかったんだけど。
日本にはチップ文化がない。チップがない国は少数派なんだろうか。ともかくそれは収入の差がそれほど無かった時代の産物なんだろうと思っている。チップがある国に住んでみると、チップは収入が低い人の生活の助けになったり、感謝の気持ちを表したり、もちろん不満があれば渡さないことで意思表示出来たりと意外と使い勝手が良いことがわかった。それまではチップには恵んであげるみたいとか10%分値段が高くなるだけとか、ともかくマイナスイメージだったのだけども。
日本もチップシステム導入すればいいのにと、飲食店のバイトらしき店員さんの接客が快適だった時や、美容院で若い美容師さんのシャンプーがたまらなく気持ち良かった時とか、何度となく思っていた。チップに慣れると気持ちのいい接客を受けてもありがとうだけで済ませる日本がとてもドライに感じる。
先日ある友人と一緒にいた時。友人と私とで趣味の話題で盛り上がり、友人はその趣味のための道具を欲しがっていて(たしか2万円ほどだった)、でも高いと迷っていた。友人も私もある程度長く社会人をやっているので、ぶっちゃけ欲しければすぐ買える値段だ。迷って迷って結局買わなかった友人が、後日共通のアメリカ人の友人に10万円送っていた。海外ではよくあることだけど彼は解雇されて無職になりお金に困っていた。
2万円の買い物は悩むけど10万円は人にあげられるってすごいね。
友人はあっさり、この方が気持ちいい使い方だよね、と言った。そして続けて、困っている誰かのために使えるお金が今僕にあることは幸せなことだよ、って。
その時、ああチップシステムと同じだな、と思った。今余裕がある人が今困っている人に手を貸す。日本はあまり手助けにお金が絡まないけど、物理的に手を貸すのも金銭的に手を貸すのも同じことだ。そして、手助けするのってした方もされた方も嬉しい。
私は金銭の貸し借りややりとりを家族とも友人ともほぼしてこなかった人間だし、拝金主義的世界に懐疑的な方だけども、お金でも物でも何でも今自分に余裕があって、傍に困っている人やちょっとつまづいている人にお裾分けできることがあれば、それはすごく豊かなことだ。
豊かさってみんなと分けあえることなんじゃないか。チップとしてありがとうの気持ちをシェアするのも、うまくできた料理をお裾分けするのも、お金を足りないところにまわすのも、豊かなことだ。すごくいいアーティストを見つけてSNSでシェアするのも。
コロナで困っている人は沢山いるだろう。でもだからこそ誰かとなにかを分かち合ってゆたかに暮らしたい。
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