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実現できた!小学生と博士学生のコラボ

2023年2月、私たち北海道大学のメンバーは十勝中札内村の上札内小学校で出前授業を行ってきました。そしてタイトルのとおり、授業の中では小学生と博士学生が一緒にワークショップを行う場面がありましたが、大人が想像する以上にお互いが刺激を受け合う時間となったようでした。
前後も含めてその様子を見ることができましたが、普段と違う環境をつくることがいかに大切かと改めて感じさせられました。

上札内小学校では、ユニサイクル・チャレンジのためのマイ一輪車があります


中札内村上札内小学校のWebサイトはこちら

上札内冒険クラブの新聞が面白い!

上札内小学校訪問の概要

上札内小学校は、本学が実施している「地域の未来社会SOUZOUプロジェクト~想像から創造へ~」(道内小学校との共同事業)に今年度参加していただいていました。
このプロジェクトでは、小学生と博士学生という“超ナナメの関係”を築きながら、小学校に対しては『地域について学ぶきっかけ(ふるさと教育の推進、地域活性化の推進)』を作ると共に、「未来社会の開拓者」を育成するという理念実現のため、共同で幅広い取り組みを展開しています。

↓その時の活動成果は、サイエンスフェスタ2022で展示しました

今回の出前授業では、上札内小学校児童のみなさんに、深く考えることの「面白さ」、「楽しさ」、「魅力」、「やりがい」を伝えるとともに、予測不能な未来でどう生きるのか?や、自分にもできる社会貢献とは?、といったテーマについて考えることで、「未来社会の開拓者」として生きる自分の姿を思い描くきっかけを作ることを目的として実施しました。

校内に展示されている児童のみなさんが作成した絵と作文

前半:講義の様子

先生からの質問に手を上げる児童のみなさん

前半では、本学授業科目「挑戦者になろう」を担当している宮本先生から、自己紹介や北大紹介、そして、帯広の歴史を交えながら今回の出張講義に至った経緯について説明をしました。続いて、本学農学院に所属する大学院生の内林さん、村島さんから自己紹介と自身の研究紹介が行われました。

村島さんの講義パート

普段の大学の中での会話とは打って変わって、視覚的に分かりやすかったり、質疑応答形式でテンポよく話が展開されるなど、児童のみなさんが前のめりになる工夫が随所に見られました(ポテンシャル高い・・・!)

内林さんの講義パート

その後、今回の出前授業のメインイベントである付箋を使ったワークショップを進めるための導入説明がありました。

後半:ワークショップの様子

後半は、ワークショップを行うためのグループ分けをするところから始まりましたが、学年混在のまま児童のみなさんに自分たちでグループ分けをしてみてもらいました。
ところがみなさんスッと席を立ってものの数分で、誰かに決めてもらうことなく3グループに分かれました(すごく驚きました)

学年毎に分かれつつグーチーパーでサクッとグループになっちゃう

グループに分かれた後は、まず、グループワークの練習としてアイスブレイクを行ってから、メイントピックである「未来のことを考えた時に不安に思うこと、不安に感じる心配なこと」に入りました。
グループワークでは自分のアイデアを付箋に書いて、意見を出し合ってもらいました。ワークの中で、内林さんや村島さんの他、本学職員として同行した土井さん、金田さん、そして私の3名、そして上札内小学校の先生方もグループの中に入って一緒に考えつつ、会話や質問をすることで、児童のみなさんからより多くの意見が出るように促せたかもしれません。

どんどん付箋が増えるワークショップ

中でも、酪農家の児童が挙げた「培養肉が増えてくると、酪農で生活している自分の家の将来が不安です」という不安に対して、大豆を研究している村島さんから「培養肉とは違いますが、代替肉の1つである大豆ミートは、“味”や"食感"など、本物の肉と全く一緒にするのは難しいんです」と会話があり、第1次産業が中心の“現場”ならではの学びの機会でした。

最後は、各グループで1名の児童が代表して、グループ内で出た意見や一番不安に思った事項を発表し、全体での意見共有を行って出前授業の幕を閉じました。

発表後に各グループの記念撮影をしました

学外に出て、世代を超えた学びの場を作らねば

宮本先生だけでなく、特に大学院生の内林さん、村島さんが児童に目線を合わせながらコミュニケーションを取ったことで、児童のみなさんの緊張も解れ、非常に活気のある授業となりました(授業後の休み時間も体育館で一緒に遊んでました笑)
上札内小学校の島田校長先生からは、「笑顔が素敵な皆様でしたので、子どもたちは心理的安定のもと、楽しい学習時間を過ごすことができました。ありがとうございました。今回のご縁をできれば大切にしたいと思っています。引き続きご指導・ご支援のほどよろしくお願いいたします。」とのコメントをいただきました。笑顔が素敵だったのは上札内小学校のみなさんも同じで、児童のみなさんも先生方もみなさん生き生きしてらっしゃいました。

また、参加した大学院生の2名からは「初めて小学生に向けて活動をさせていただき、大変新鮮でした。」「考えを深めること、自分で考えることの大切さを知る手助けができるような機会にできればと思っておりましたが、逆に教育の難しさや奥深さを教えていただく機会になりました。」「小学校が地域の中核を担っていると聞き、そのような考え方は今までなかったのですが、思えば、次の世代を育む場所であり、これほど地域づくりに重要な場所はないと気づかせていただきました。」など、様々な学びや気づきのあった旨の感想を聞くことができました。

今回の出前授業は以上のような様子で進行し、短い時間でしたが非常に濃密な授業でした。帯広駅に戻る車中でも、主役のみなさんはもちろん、私たちスタッフも、とても多くの学びや気付きがあった今回の出前授業だったと振り返ることができました。
そして、これに留まることなく、今後もさらに各地の小学校・中学校・高校に関わることで、学校の手助けや生き方教育による地域貢献を展開させていかねばならないねと話しながら、特急おおぞらに乗り込み帰路につきました。

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