【院試解答】東大院 情報理工 数学 2018年度 第3問【複素確率変数】
東京大学大学院 情報理工学系研究科の入試過去問の解答例です.この記事では2018(平成30)年度の数学(一般教育科目)第3問について解答・解説します.問題は研究科のWebサイトから見ることができます.
※この解答例は大学院・研究科に認められたものではありません.正確性についての保証は致しかねます.
(1)
解答
$${z_n}$$の漸化式より
$$
\begin{aligned}z_n&=\pm i^nz_0\\&=\pm i^n\end{aligned}
$$
となる.すなわち
$$
z_n=i^n \text{または} -i^n
$$
である.
(i) $${n}$$が奇数,すなわち$${n=2k+1}$$のとき
$$
\begin{aligned}z_{2k+1}&=\pm i^{2k+1}\\&=\pm(i^2)^ki\\&=\pm(-1)^ki\\&=\pm i\end{aligned}
$$
より,
$$
\mathrm{Re}(z_{2k+1})=0
$$
となる.
(ii) $${n}$$が偶数,すなわち$${n=2k}$$のとき
$$
\begin{aligned}z_{2k}&=\pm i^{2k}\\&=\pm(i^2)^k\\&=\pm(-1)^k\\&=\pm 1\end{aligned}
$$
より,
$$
\mathrm{Im}(z_{2k})=0
$$
となる.
(i),(ii)より,$${n}$$が奇数のとき$${\mathrm{Re}(z_n)=0}$$,偶数のとき$${\mathrm{Im}(z_n)=0}$$である.∎
解説
$${z_n}$$は複素平面上の単位円上を$${\pm 90}$$度ずつ移動していることが分かればよいでしょう.
$${n=2k,2k+1}$$とすると,この問題は$${k}$$に関する数学的帰納法でも示すことができます.
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