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星が「生まれる」瞬間

身近なところで、あるいは身近ではないところで、突然命が消えたり、ゆっくりと炎が消えていきそうになるのを見ていると、生き物は生まれることも死ぬことも自分では決められないんだなと思う。
自ら死ぬことを”選択”した人たちだって、ある種"抗えない理由"があったはずだ。

ふと思い出したことがある。
「超新星爆発」だ。
質量の大きい星が一生を終える時、とてつもないエネルギーを発して大爆発を起こす。つまり星が死ぬときなのだが、なぜ「新星」と呼ぶのか私は調べずにそのままにしていた。
大爆発によって突如夜空に輝く天体、それがまるで星が生まれたように見えるのだという。

「死」が見せる「生」だ。

親しくしていた友達がいなくなったあの時、父が長い闘病を経てこの世を去った時、祖母が認知症で娘や孫の顔もわからなくなり静かに消えていった時、それはもしかしたら超新星爆発のように遥か宇宙の彼方に強い光を放つものではなく、苦しみから解放された、静かで小さな光だったかもしれない。
しかし、彼らがその時を迎えた瞬間、私が強く感じたのは自分自身の「生」だった。

この人はこの先1秒後に起きたことを知らない。ならば見続けてやろう、この世界を。
とことん愛しんでやろう自分の生を。

私は強く思った。

今、消えゆく命を見続けているひとりの人がいる。
どんなに覚悟を決めたって、やっぱり辛いし、苦しいし、そして疲弊する。私はそれを身をもって知っている。

だから伝えたい。

今、あなたの目の前には星がある。美しい星だ。
これから輝きは増すだろう。どんなに眩しくても、目をつぶらずに見ているんだよ。
それは星が「生まれる」瞬間だからね。

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