2022年のVIRGEについてまとめながら愛を叫ばせていただく


今から丁度1年ぐらい前、VIRGE(2022年始頃にヴァージュからVIRGE表記へ公式に変更)が大好きだという想いを綴った記事を投稿したが、あれからVIRGEは今に至るまで後ろを向く事もなく無事に活動している。とても有難い事だと思う。

そしてライブに通っている一人として、ファンの方がとても増えたようにも感じるしそれだけ濃い内容の活動をしていると思う。三日坊主な俺だからこそよく飽きないなというのが率直な感想だし、これだけ夢を見させて貰えるバンドに出逢えてこの上ない感謝だ。もうこれでライブに通って3年目に到達した。

拙い文ではあるが、このnoteの場にて彼らへの感謝と自分への記録用として綴らせていただきたい。謂わば個人の勝手な備忘録なので多少の突っ込みどころは流していただけると助かる。


  • Dr達也さんの加入、そして波乱の英字表記スタートに

まずドラムスが或さんから達也さんに変わったのはバンドのムーブとして当たり前に大きい、そしてヴァージュから英字表記のVIRGEになったように曲にも変化は訪れた。

公式から新加入宣言した後かそれぐらいに投稿された「悲鳴」のドラムプレイ動画はとても印象的で、夜のコンビナートを背景に現実離れしたヴィジュアルの彼がひたすら叩き上げる姿にときめいた。彼が加入直後によく言ってた「分からせてやる」とのフレーズも相まってVIRGEの新章は鮮やかに始まる事となった。この「悲鳴」も達也さんが得意とするドラム手数の多くて激しい、Djent/マスロック方面に通じるVIRGEとしては新たな試みとなる曲であった。(なお「悲鳴」自体は或さんがいた晩期の頃に出た曲であり、2021年秋の新宿BLAZE公演でも演奏されていた。この公演終了後に或さん脱退の発表が出た。)

加入直後辺りのライブではまだ慣れない故にもたつき等も感じられたが、今では全くその不安もないプレイを魅せている。

去年2月のワンマンライブでの二枚舌ループ煽り、ビートがもたつき始めミスが出てきた達也さんに遼さんが「ミスんな!!」と一喝。達也さん及びメンバー全体がヘトヘトになるまで千本ノックの如く演奏していたのがとても懐かしい。あの日のライブはハラハラしながら観ていたが、思えば今の彼らの活躍はあの日の経験があるからこそだと感じる。そしてあの日のライブは遼さんが喉のヒステリー球によって年初めライブに参加出来なかった雪辱を晴らす日でもあった。

年初めライブは仕事でどうしても行けない日であった。仕事中にその知らせを聞いた自分は心配で仕事がとてもでもままならず、終始憂鬱な気分になったのを覚えている。結局バンドとしてはノンボーカル形式でライブ決行。観に行った友達曰く、ボーカル無しなのでとても異様な光景ではあったがバンドの熱量がいつも以上にダイレクトに伝わったライブだったそうな。それだけバンドとしての執念があったのだろう。

そして自分が観に行ったrevengeの日、特別な想いを隠せなかったのか遼さんが目を潤ませて歌っていたのが自分にはハッキリと映っていた。


  • 先輩NICOLASとのツーマンツアー、そして新曲「マーマレード」

通称東亰アンタッチャブルツアー。
NICOLASといえば元々はゴシップというバンドでもあり、VIRGEのメンバーの大半も元々はゴシップと同じアインスという事務所に所属していた直の後輩でもある。それが故で度々対バン等でブッキングされ交わる機会もあったが、彼ら主導でのツーマン企画は初の試みでもあったようだ。

VIRGEを好きになって色んなバンドとの対バンも観てきたが、ここまで戦友同士のガチンコ勝負なライブはなかったしどの公演も最後は双方明るく笑い合えるような理想的対バンツアーだった。

ワンマンでも多少MCでおちゃらけるぐらいのテンションで保っていた基本硬派なVIRGEメンバーがNICOLAS先輩の煽りに乗って無茶振りさせられたり柔らかい表情で談笑しているのは当時かなり信じられなかったが、今となってはあれからメンバーの表情がとても柔和になったと思う。

基本硬派なのは今も変わらないが、このツアーを機に親しみやすさが増したのが率直な感想だ。バンドとして愛嬌が出て、垢が抜けた印象を感じた。「キャラが面白くない」「キャラが立っていない」などNICOLAS先輩からのアドバイスもあったそうで、吹っ切れる為にもNICOLAS先輩が音楽バンドの彼らにエンタメ的な課題を課せたのだろう。

特にこのツアー以降で紫月さんがNICOLAS先輩にひたすら弄られ、そして大食い面白キャラと化したのは印象深い…笑

そして春頃に出たニューシングル「マーマレード」は英字表記となった現体制VIRGEを象徴する作品と言ってもいいだろう。「悲鳴」同様に激しいナンバーではあるのだが、同曲や「天秤」に至っては彼らが元々持ち味としている歌謡ロック+ゴシックテイストに回帰しつつ短音リフを全面に出した疾走感溢れるメタルコアサウンドを取り入れたり、「憂鬱に裂く」では今までの鬱曲よりも音の深みが増したダークアンビエントロックに仕上がっており楽曲のクオリティに関しても完全に垢が抜けた印象を受けた。

この時期に行われたインストアイベントにてメンバー一同が『達也さんのおかげか今までにないオス好みな曲が作れました』的な言葉を自信に満ちた笑みで我々に発していたので、彼らにとっても挑戦する為に一肌脱いだ作品なのは間違いないだろう。


  • 念願のびじゅある祭出演決定!!

この出来事は俺としてはとても嬉しかった。そりゃ格好良いと信じて着いてきたバンドが認められた証だからなんだけど、何よりも2021年アルルカン主催の「束の世界」のプラスワン枠に選ばれなかった時の悔しさを果たしたというか。

あの時は俺も周りのファンの同志も悔しかったけど、普段あまり感情をSNSで出さない遼さんが悔しさと今後へのやる気に満ちたツイートをしていて、ファンとしてこの人達に着いてきて良かったと思えた瞬間だったのをとても覚えている。

余談ではあるが、今アルルカンは某報道で大いに揺れているバンドでもある。ここではそれについては割愛させていただくが、zeppクラスでもライブが出来て武道館も射程圏内の影響力のある彼らが若いバンドを積極的に晴れ舞台へ立たせてあげる機会を設けようとする等、業界全体を盛り上げようとする姿勢はとても素晴らしい事だと思った。また束の世界のようなイベントを開催して欲しいし、昨年末の「V系って知ってる?」のような規模で"現代版エクスタシーサミット"とも言えるぐらいの夢の公宴をまた手掛けてほしい。武道館にだって立って欲しい。とにかく束の世界でVIRGEの事にも触れてくれて感謝でしかない。音楽に対して真摯なバンドということは触れた人なら分かってくれると思うので、挫けずにバンドとしての夢を叶えてほしい所存だ。


  • 満を持して「Mother」リリース!!苦界ツアーで成長する新曲達、びじゅある祭も大盛況に!!

去年の夏、バンド史上一番乗りに乗った彼らが満を持して出した「Mother」。この作品は今までの新曲以上にTwitterのV系界隈でも話題となり、びじゅある祭に参戦するバンドという事も手伝ってか名刺代わりにもなるほどに彼らの存在をかなり広めた作品となった。特にYouTubeで公開されたMVは10万再生超えを記録しており、晴天の下の水面が写る自然豊かな場所で闇の化身のような出立ちの彼らが自我を出して演奏しており、見応えは抜群だ。

曲調としては「遺言」で見せてきた激情的なトレモロギターが顔を覗かせ、そして何よりも曲のテーマが「反戦」「平和」で戦によって失われた命の悲痛さを訴えており、これがまた激情さに拍車をかけている。メロディも展開も壮大でどこかクサい、遼さんの命を燃やすような全力唱法も相まってバンドとしての総力を一曲で纏め上げた作品というのが自分の感想である。

苦界ツアーで披露されて瞬く間に「Mother」及びカップリング曲は彼らにとってのマスターピースかつクロスファイアーへと育っていくことになる。c曲の「拒絶」は「怨ミ言」以来となる根っからの暴れ曲で当ツアーでも同じ日に3回も演奏したりとバンドとしてキーに据えたい一曲だという事が窺える。新しい事に挑み続けながらも"コテ" "暴れ盤"というプライドは捨てる訳がないとも読み取れる。

曲としては憂璃さんの強靭で凶暴なベースリフにメタルコア的ブレイクダウンが特徴的で横のノリが多いVIRGEが放つ縦ノリのラウドな意欲作だ。フリも秀逸で拳ヘドバンからの釘打ちは暗黒儀式そのもの、遼さんの煽りも相まって宗教感溢れる支配的なナンバーと化しどの公演でも盛り上がった一曲だ。

投稿者は当ツアーは名古屋、京都、大阪、千秋楽東京へと足を運んだが、名古屋ミュージックファームで聞く「拒絶」は会場も相まってかブックオフで中古で買った黒夢の「生きていた中絶児」を手にして聞いた時のような興奮が蘇った。メンバーもフロアもV系の聖地という事で熱量も上がり、急遽バラードなしの全暴れ曲というセトリになるほどに大盛況だった。

話を「Mother」に戻すが、最新設備のある池袋harevutaiでの千秋楽ワンマンでの同曲のテイクは圧巻の一言であった。MVにアレンジを加えた映像がバックモニターに流れる中での演奏、たたでさえ壮大な曲なのに映像込みで生演奏で聞くからまるでMVの世界にやってきたかのような体験をした。間奏での遼さんの『命燃やしていけよ!』『手を掲げろ!!!』といった煽りと共にパンパンのオーディエンスが手を伸ばしていく光景、VIRGEの一体感はここまで到達したのかと俺自身も泣きながらこの曲を楽しんだ。

余談ではあるが当作からVIRGEのクレジットに"Timely Reocords/Happinet Corporation"と打たれている。実は前作から前所属していたSPEED DISKのクレジットが消えていたので完全独立したとは思われるが、リトルハーツのイベントに出させて貰えたり対バン相手もザアザアやTHE MADNAといった面子なのでおそらくレーベルだけはそこに属する形になったのだろう。

そしてびじゅある祭り、10年近くかそれ以上のキャリアを持つアルルカンやダウト、Buglugや己龍等のベテラン、甘い暴力のような業界随一で伸びている若手バンドがいたりとZeppクラスどころか武道館も夢じゃないような面子の中でのオープニングアクト。

メジャギャから遠のいてドマイナー寄りになった俺にとっては1000人以上2000人近く入る服部緑地のスケールを見て腰抜かしそうになった。当然、知名度ある他のバンドのTシャツを着たバンギャさんが多かったが、立ち見席エリアに行くといつも箱で最前付近で熱心に応援しているVIRGEのバンギャさん達がいてとにかく安堵した。完全アウェイの空間ではあるがバンドもファンも負けちゃいなかった。

セトリは「悲鳴」→「籠女」→「万華鏡」→「拒絶」→「Mother」という短いオープニングアクトながらバンドの集大成を詰め込んだ最高のリレー。挨拶代わりの悲鳴でギアを上げた中での籠女、ここから見様見真似でノリに乗ろうとする他盤ギャさんがちらほらいて凄く嬉しかった。

そして万華鏡、楽曲特有のアラビアナイズドな妖しげな雰囲気が野外に響き渡り横モッシュで揺れた所での拒絶。そしてMother。野外の空の下というロケーションで聞くMotherは壮観であった。天候は秋とは思えないほどに暑く、雲ひとつない晴天。まだ遠き晴れ空へファンが手を伸ばしていて泣いちゃったよね。泣きながら青空の下でヘドバンするの凄く最高だった。またこのロケーションで味わいたい。


  • あとがき(感想や感謝など)

ざっと2022年のVIRGEというバンドのムーブを投稿者なりの視点で勝手に書き殴らせていただいたが、ここまで情が入るほどに応援するのには理由がある訳でこの場にて色々綴っていこうと思う。


昨年の5月、憂璃さん生誕ライブの時。俺は特典会の為に物販にて10000円以上のお金を費やして、特典会に参加する事が出来た。その時に憂璃さんと話す機会があって限られた時間で彼らへの感謝の言葉を伝えた。

この日は憂璃さんがボーカルに立ち、彼自身のルーツにもなった蜉蝣の「怨み言」を歌うなどレアな内容。俺自身も御三家バンドが好きだし今をこうして生き抜いてるバンドの中でVIRGEが一番ヴィジュアル系として楽曲も見た目も好きなので追いかけていると憂璃さんに伝えた。

『男の子がこうして参加してくれて嬉しい…俺もまだまだだな、もっと頑張らなきゃな』

その一言に俺は思わず感極まった。当時は仕事がかなり忙しくて時間を割いてなんとか名古屋から駆け付ける事が出来たぐらい。終電で急いで新幹線へ乗らなきゃの状況、職業柄自由な休みも保証されていないので毎回もうこれが最後のライブのつもりでライブに足運んでいる。それぐらい彼らの事が大好きだからこそ憂璃さんの一言は響いた。ボーカルの遼さんが一番大好きだがVIRGEのメンバー全員がとにかく好きだ。この憂璃さんの一言でより一層彼らへの想いが強くなった。

これが特典のサイン付き限定音源CDである。憂璃さんによる熱唱が聞ける家宝だ。

VIRGEというバンドは側から見れば毎公演撮影会接触会があるバンドでもないのでファンサービスが薄いバンドと思うかもしれない。SNSだってそこまで更新するバンドでもない。しかし、ライブこそが最高のファンサービスの精神を感じ取るからこそ俺もVIRGEに着いていった訳で、どんなセトリでもどんなに同じ曲でも毎回違う景色を魅せてくれるVIRGEには尊敬でしかない。


そして昨年末の落園FINAL新宿BLAZE、この日は先述した「V系って知ってる?」という業界随一で大きなイベントが武道館で行われており、俺の知人の何人かも武道館へ足を運んでいった。VIRGE大好きなギャ男の友達も『悩んだけど俺はギルガメッシュ(その日限りの復活)が観たいんだ。でも、明日の火炎瓶はVIRGE動員で行くよ』と言ったようにファイナルの翌日が火炎瓶という年末を締め括るレーベルメイトによる対バンイベントが同じ新宿BLAZEにて行われるので、レアな体験が出来る武道館に行って火炎瓶でVIRGEの見納めをする人が俺の周りでは多かった。動員もハッキリいえばharevutaiの時よりも少なくて、そこまで気にしないようにしてはいたが寂しい気持ちにもなった。

しかし、そんな日に集まるファンは根っから彼らの事が好きな人しかいない。アンコール明けのMC、そんなファンに向けて遼さんが嬉しそうな顔で『今日は大きなイベントがあるのにここを選んでくれてありがとうございます』と一言。この言葉で俺は彼らに着いて行って良かったと再認識させられた。そんな日に演奏する「凱歌」はとても沁みた。この曲はメンバーがハッキリと封印宣言した曲でもあるから、だけどこういう所で演奏してくれたりと粋な彼らが俺は大好きだ!


最後になるが俺はVIRGEのアクションに信頼しているし彼らを信じている。こんなnoteなんて見てもいないとは思うが、もし挫けそうな時があれば俺のようなファンがいっぱいいる事を思い出してくれたら幸いだ。

この記事を書いている今、日本の世の中は不況まっしぐらの中だが大谷翔平やダルビッシュを筆頭としたWBC日本代表がマイク・トラウトやゴールドシュミット、トレイ・ターナーにムーキー・ベッツやアレナド等のスターが勢揃いの強豪アメリカ代表を下して3大会ぶりの世界一奪還となった。彼らの活躍に涙して勇気をもらう野球ファンがいるように、俺はVIRGEの楽曲に勇気付けられてはライブで様々な感情がリンクして涙を出したり歓喜したりする事がある。規模はどんなに小さくても着いていく人は着いていく。努力している姿を知るファンは着いていく。

今年も最高の活動になれば嬉しいし、ジワジワで良いからいつか大きくなった姿を我々に見せてほしい。いつも最高のライブをありがとう!

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