新年のご挨拶 2023
明けましておめでとうございます。
1923年に初代がワインを造り始めてから100周年という記念すべき年を迎えることができました。
SNSなどでグレイスワインを新年にお歓びいただく投稿を目にするたび、本当にたくさんの方々にお支えいただいていることを実感いたします。
高祖父が『長太郎印葡萄酒』を発売した1923年は、関東大震災に見舞われた年でもあります。
昨年末に吉村昭著『関東大震災』を拝読しました。10万以上もの尊い命が奪われてしまった大災害を経験し、自身の名前を冠したワインを醸造したことがグレイスワインの始まりとなりました。そこには、何かお役に立てることが無いだろうかと考えた高祖父の想いを見ることができます。私たち一家の名字を銘柄とするフラッグシップワイン『キュヴェ三澤』は、その想いを繋いでいるワインです。
私自身は家族初の女性醸造家となり、悩み続けた日々でもありましたが、これまでも皆様のおかげで多くの困難を乗り越えることができました。心からお礼を申し上げるとともに、自然を享受していくことの覚悟を持ち、これからも信念のワインを造ってまいりたいと思います。
今年は有難くイベントのお誘いなどもいただいており、目まぐるしい1年となりそうです。
是非多くのお客様と100周年を共有していただけたら嬉しく存じます。
まずは、100周年を記念して、グレイスワインのラベルデザイナーでもある原研哉氏に『あけの2020』の記念ラベルを作成いただきました。
わずかに腐食させた金箔が時の流れを映し出し、中央にかすかに射す光はこれから先の希望を表しているように感じさせます。
本年もグレイスワインをご贔屓賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
皆さまにとって実り多き一年となりますように。