見出し画像

それが条件付きの愛だと知らなかった⑥ 〜記憶をたどる〜

友達は私に言った。

「私にはりかちゃんは身体の相性を優先してるように見えるよ。
自分ではそのつもりがないだろうけど、自分でそれを認める事が出来なくて、こんがらがってるんじゃないの?

人生はセックスしてる時間より、していない時間の方が長いんだよ。

例えば…
●楽しい100点・セックス50点
○セックス100点・楽しい50点
選ぶとしたらどっち?

私はね、どっちを選んだとしても
50点の方を築くようにしてるの。
二人で話し合ったりしながら50点が60点とか80点になるように築いていく。

でも、りかちゃんはその『築く』過程もすっとばしてるように見える。

最初から100点の完璧な人と出会う事はない。
それは奇跡。
だけど、りかちゃんはそれを求めてるように見える。
妥協してるようでしていないと思う…だから相手の言動で一喜一憂してしまう。

これまでしてきた恋愛や結婚相手にも、それぞれ80点とか60点のところがあったでしょ。
歴代の相手のそれぞれいいところを自分の中で組み合わせて、理想の相手を作り上げる。
そして、その作り上げた理想の彼氏とマッチングした相手を比較して、少しでも違ったりすると冷めてしまう。

マッチングアプリは、日常の中で出会い、少しずつ相手を知りながら関係を深めていく恋愛とは違う。
最初に条件をマッチさせて相手を探していくから、自然とハードルが上がる。

実際は、マッチングの条件にないところが好きになる上で大事だったりするじゃない?
その人の雰囲気とか何気ない仕草とか言葉とか。

だから、普通の恋愛以上に築く事や妥協する事、相手を認める事を大切にしていかないといけない

それはとてもむずかしい事なんだよ」


考えさせられた。とても。

私がうすうす気づいていた「身体優先」の事も、私が話す前に友達からそこを突いてきた。


そうなんだ。
私は今まで身体がつながっていればそれですべてよかったのかもしれない。
どんなに不平不満があっても
どんなヒドい扱いにされても
身体は必要とされている。
身体はつながっている。

昔のエヴァンゲリオン劇場版を観た方は、ここを読んで気づくだろう。
ミサトさんと加持さんの学生時代のシーン。
二人は毎日学校へも行かずに、部屋で朝から晩まで身体を重ね合う。

エヴァの主要人物たちが、このシーンに対して会話をしていく。
「たぶん自分がここにいる事を確認する為にこういう事をするの」
「身体だけでも必要とされているものね」
「自分が求められてる感じがしてうれしいのよ」
「イージーに自分にも価値があるって思えるものね、それって」


このシーンとセリフは、当時まだ若かった私に深く刺さった。
わかる…わかり過ぎる…そのミサトさんの気持ち。


これまで何度恋愛や結婚をしても
心のスキマが埋まる事はなかった。
最初の恋愛からそうだったから、なんとなくそういうものなのかとも思っていた。

でも身体がつながると、不思議と心もつながる気がした。そのスキマが埋まる気がした。
この瞬間があるから、他に色々な事があっても乗り越えられた。

いや…乗り越えられたんじゃない。
きっと「ガマン出来た」というのが正しいのだろう。

なにをしても埋まらないスキマ。
いつからあるのか、なんであるのかわからない。
そして、そのスキマの埋め方も見つからない。
結局誰にも埋める事が出来ない。

いつからあった?このスキマ…

この答えが見つかりそうで見つからないものを
ネットで色々検索した。

そして、あるキーワードを見つけた。
「条件付きの愛」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?