それが条件付きの愛だと知らなかった④

新しい年が明けた。
疲れ果てていたマッチングアプリは、年末前にすべて退会した。　

Aさんと出会ったアプリは、Aさんが退会した時に一緒にやめていた。
Bさんと出会ったアプリは、まだそのまま登録しているBさんに退会する旨を前もって伝えておいた。

年始にAさんと初詣デートした。
Aさんは数週間前にトレーニングで腰を痛めて、まだ良くなっていなかったらしい。
朝からかなり調子が悪かったらしいが、ドタキャンは申し訳ないとムリヤリ来たようで、歩くのもツラそうだった。
結局初詣だけして1時間ほどで解散。

デート中の会話で、年明けに大きな仕事があるらしく、これから2ヶ月ほど休みもなくなるかもしれない…と話していた。

Aさんはちょっと特殊な仕事をしていたので、いつも大変だなぁと。
しばらく会えないけど仕方ないと素直に思っていた。

そしてその間、LINEもかなり減った。
やり取りはそれなりにしていたが、休みなく働いているのに悪いなと思い、私もさほど連絡しなかった。

一方のBさんは、彼から定期的にLINEしてきてくれていた。
だけど、連絡頻度の間隔が一週間…二週間…とだんだん空いていき、一ヶ月来なくなっていた。
もう終わったかな…となんとなく思っていた。

実際私も年明けから数ヶ月、仕事の諸事情によりとても忙しかったので、恋愛の事ばかり考えてるワケにもいかなかった。

忙しい中、Aさんとは初詣デート後一ヶ月ぶりにちょっと会う事が出来た。
やっぱり会うとダメだね、好きだなって思ってしまう。

でも、この頃からうすうす自分でも気づいていた。

Aさんとこんな事繰り返して
確かに好きな気持ちもあるけれど
たいして会えないのに
最近はデートらしいデートも出来てないのに
やることだけやって何だか気が済んで

私…………
身体の関係だけあれば、それでいいのかな？

ふとそれを思うと、自分で自分が怖くなった。
昔から「身体の相性は重要派」ではある。
だからといって、それを優先してきたつもりもないし、それだけでいいとも思っていない。

だけど、今までそんな風に自分に対して感じた事がなかった。
初めてごく自然に感じてしまっていた。

とても怖くなり、浮かんでは頭から消して見て見ぬ振りをする。

またさらに一ヶ月ほど過ぎた頃、Aさんが会いに来てくれた。
仕事もあと少しで目処がつく予定だと言っていた。
あと少し。そうしたらまたデートしたり出来るかな…

数日後、彼にとあるLINEを送った。
彼にしてもらった事でとてもうれしかった事とかのお礼のメッセージだった。
ある程度の長さにして、いくつか連投した。

マッチングアプリの出会いは職場とかじゃないから、普段から顔を合わせてコミュニケーションを取る…っていうのがない。
お互い仕事の時間帯の都合とかもあって、なかなか普段ゆっくり話したりも出来ない。
LINEはコミュニケーションの重要なアイテムだった。

そしてその日はついにやってきた。