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災害、緊急事態、およびその他の混乱への対応

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。

 カテゴリー6.オペレーションは、組織が製品・サービスと業務プロセスをどのように設計し、管理し、改善し、革新して、オペレーションの効率を向上して顧客価値を提供し、継続的な組織の成功を達成するかを尋ねます。

 あなたの組織の、事業の継続性と回復力について尋ねます。

(4)組織が災害、緊急事態、およびその他の混乱を予測し、準備し、回復できるようにすることをどのように確実にしていますか。
(Baldrige Excellence Builder 2021-2022より。翻訳筆者)

 あなたの組織では、リスク、予防、保護、業務運用の継続、および、混乱が発生した場合の回復をどのように考慮していますか。

 あなたの組織では、顧客と事業のニーズ、および、働き手、サプライネットワーク、パートナー、情報技術システムへの依存をどのように考慮にいれていますか。

 災害や緊急事態は、短期であったり、長期であったりし、天候、気候、ユーティリティ、セキュリティ、または地域または全国の健康またはその他の緊急事態に関連している可能性があります。

 このような事象にどの程度備えるかは、組織の環境と、短期的または長期的な業務運用の中断に対する組織の感度によって異なります。
 許容できるリスクのレベルは、製品、サービス、サプライネットワーク、および、利害関係者のニーズと期待の性質によって異なります。

 組織は、予想される混乱に備え、混乱発生の間は、従業員と顧客のエンゲージメント、サプライネットワークと財務のパフォーマンス、組織の生産性、および地域社会の幸福を、保護し、予測し、強化するために、複数の面で行動できることが必要です。 

 回復力を高めるには、組織は俊敏性を自分たちのあり方に組み込む必要があります。 回復力のある組織は、不必要な集中化、官僚主義、複雑さ、および内向きの焦点を回避し、スピード、柔軟性、単純さ、および状況認識を最大化します。 回復力を実現するには、リーダーは機会と脅威の両方に迅速に対応し(俊敏性)、変化する状況(核となるビジネスモデルと製品を含む)に戦略を適応させ、信頼の文化を備えた堅牢なガバナンスを備えている必要があります。

 このため、非常事態においても業務運用の継続性を確保するための取り組みでは、製品とサービスを顧客に提供するために必要な運用のすべての側面を考慮する必要があります。非常事態において具体的にどのようなレベルのサービスを提供するべきかは、組織のミッション、顧客のニーズと要望から導かれます。

 例えば、公益事業のように、必要不可欠な機能を提供している場合に求められるサービスの要求は、そうでない場合に比べて高いと言えるでしょう。非常事態への対応をミッションとする非営利組織(行政機関を含む)では、サービスの用意がいつでも整っていることへの高いニーズがあります。業務運用の継続性への取組みはまた、データと情報の可用性を確保するための取り組みとの調整が必要です。

 自然災害または人為的な災害が発生した場合に、情報技術基盤、データ、および情報を引き続き提供する方法を慎重に計画する必要があります。これらの計画では、働き手、顧客、サプライヤー、パートナー、協力者など、すべての利害関係者のニーズを考慮する必要があります。計画は、ビジネス継続性とサイバーセキュリティの全体的な計画と調整する必要があります。

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 以上は、Baldrige Excellence Framework 2021-2022 から多くを引用しています。
 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。



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