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苦情処理

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの8つ目は
8.法務・コンプライアンス
です。

  苦情処理、不祥事対応の体制について確認します。

⒏(6)苦情処理/不祥事対応
 コンプライアンス体制の一環として,苦情処理体制・不祥事対応体制が必要であることを認識していますか。

 まず苦情処理について確認します。

苦情処理

  顧客からの苦情について、対応窓口を設けて、適切に報告・対応・処理する体制を確立します。

 苦情対応窓口は、顧客からの苦情を直接聞いて、顧客に対応する担当者あるいは組織です。担当の営業担当者が苦情対応窓口となったり、お客様相談センターやコールセンターなどの部署を置いたりします。
 苦情対応を的確に行うには、不満を持つ顧客の立場に立って、顧客がなぜ苦情を訴えているかを理解し、苦情の原因がわかったら、顧客に対して原因と対策を納得いただけるように説明することが必要です。苦情対応窓口の担当者には、そうしたスキルが必要です。
 苦情対応には、迅速性が重要であり、苦情対応窓口で問題が解決できるようにすることが望まれます。このため、過去の事例などをデータベース化して活用できるようにする仕組みや、苦情の発生原因の関連する部署のバックアップが得られる仕組みも整備しておきます。

 苦情対応窓口で問題が解決できない場合には、苦情の発生原因に関係する部署などで対応します。これをエスカレーションするといいます。
 顧客対応窓口においては、苦情の種別によってどの部署にエスカレーションするか、エスカレーションルールを明確にしておくことが迅速性につながります。

 苦情対応窓口、エスカレーション先まで含めて、苦情対応について、調査記録を書面化して保存します。苦情対応窓口において、同様の苦情の対応に参考にできるとともに、製品やサービス、提供の仕方、顧客対応など業務の改善に活用にも生かすことができます。

 最近では、苦情が苦情対応窓口にではなく、SNSで発信されることも多くなりました。SNSでの炎上防止のための措置及び炎上発生時の対応に関する体制の確立も求められます。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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