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将来を見据えたリーダーシップ

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、組織のパフォーマンスを向上させ、持続可能な結果を得るための組織経営のフレームワークです。
 ボルドリッジは、組織が変化の激しい環境において、戦略をもとに成果を挙げることに焦点を当て、お客様と働き手のエンゲージメントを醸成し、統治と倫理、社会的責任、競争力、長期的な組織の持続可能性を向上させることを支援します。

 ボルドリッジ・フレームワークは、核となる価値観と概念ボルドリッジ審査基準評点システムの3つから構成されています。

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 ボルドリッジは、模範となる組織のリーダー像としてビジョナリーリーダーシップを提示しています。

 ボルドリッジの核となる価値観と概念の1つ「将来を見据えたリーダーシップ」に示されたリーダーの役割は次のとおりです。
1. 組織をリードして、組織のビジョンと価値観を設定し浸透を図ります
2. 継続的な組織の成功を確実にするための戦略、システム、および手法の作成をガイドします
3. 組織とパートナーが高いパフォーマンスを達成するように促します
4. 信頼に足ることを示し、失敗があった場合はそれを認め、改善の機会を認めます

 核となる価値観と概念全体では次のようにより細かく要件を提示しています。

組織のリーダーの役割は
・組織のビジョンを設定する
・顧客に焦点を当てる(文化を形成する)
・明確ではっきりした組織の価値観と倫理観を示す
・従業員に高い期待を設定する
・ビジョン、価値観、期待は、すべての利害関係者のニーズのバランスを取る

従業員・働き手に対しては
・知識と能力を構築する
・働き手に権限委譲する
・多様性を十分に活かす
・イノベーションを促す

組織としては
・リスクを管理する
・回復力を確実にする
・責任を求める
・パフォーマンスエクセレンスを達成する

それによって
・組織の継続的な成功を確実にするための、戦略、システム、方法の創出を確かなものとする

→リーダーが定義する価値観と戦略は、組織のすべての活動と意思決定の指針となります。

・働き手すべてに活力と意欲を与える
→これによって、働き手は、貢献し、能力開発と学習を行い、革新的であり、意味のある変化を取り入れるようになります。

・その行動とパフォーマンスの責任を組織の統治機関に対して負う
→統治機関は、組織と経営幹部の倫理、行動、パフォーマンスの責任をすべての利害関係者に最終的に負います。

・自らの倫理的な行動と、計画立案、イノベーションのための支援環境の提供、意思疎通、働き手の指導と動機づけ、将来の幹部の育成、働き手一人ひとりの認証、公平で分け隔てない扱い、および、組織パフォーマンスのレビューへの個人的な関与を通じて手本となる
→手本となることで、組織全体にわたるリーダーシップ、コミットメント、率先垂範を構築する一方で、倫理観、価値観、期待感を強化することができます。

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークより引用・アレンジ)

 ビジョナリーリーダーも、最初からそうあるわけではなく、ボルドリッジ審査基準のリーダーシップの質問(カテゴリー1)に答え、それを評価し(セルフアセスメント)、改善点(改善の機会)を見つけ、計画的に改善していく、それを繰り返すこと(継続的改善)で近づいていきます。

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 筆者らが翻訳した、ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。




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