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公平性、および、包括性を文化にするのはリーダーシップの仕事

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、2年ごとに改訂されており、最新の2021-2022の改訂に合わせて、その要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーには2つの質問が追加されたことを見ました。

 その2つはいずれも、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの2021-2022年版で、「多様性」に加えて「公平性」および「包括性」に着目するようになったことにより追加された質問です。

 それらは、顧客と働き手それぞれに、公平性と包括性が採用されているかどうかを尋ねるものですが、実際にはその前提として、組織に公平性と包括性の文化ができていることが求められます。

 組織文化を育むのはまずもってリーダーの仕事です。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーには、質問として出てきていませんが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、1.1経営幹部の質問の中に、俊敏性や顧客エンゲージメント、働き手エンゲージメントに加えて「公平性と包括性」の文化をどのように育んでいるかを尋ねます。

 リーダーは、多様性、公平性、包括性を特徴とする組織文化を構築する責任があります。従業員一人ひとりに機会を与え、彼らを尊重することから始めます。そしてそれは、トップばかりでなく、リーダーシップチーム全体が行動で示すようにならなければいけません。

 多様性に加えて、公平性、包括性の意味を確認すると、多様性を採用するだけでは十分ではないことがわかります。

多様性(diversity)
労働環境を豊かにする働き手の間の個人差で、雇用層および顧客層を代表するもの。この差異は、人種、宗教、肌の色、性別、国籍、障害、性的指向、年齢や世代、教育、出生地、および、技能の特性、さらには、アイデア、思考、学問分野、観点など、多くの要素によって生じます。
(Baldrige Key Terms / NIST より引用、翻訳筆者)

 多様性は、働き手、パートナー、協力者の、多様な背景や特性、知識、スキル、創造性、およびモチベーションが組織に恩恵をもたらすということで、どちらかと言えば、多様性を受容することが新しい価値の創造につながるという組織における利点に着目されていました。

 これに2021-2022年版から、公平性と包括性が加わりました。

 公平性(equity)を促進するということは、すべての顧客と働き手が公平に(fairly)扱われ、すべての働き手が潜在能力を最大限に発揮できるようにすることを意味します。

 包括性(inclusion)とは、組織への参加を後押しし、帰属意識を高めることを意味します。一体感を育むよう積極的に支援することが求められています。

 働き手の多様性と包括性を大切にすることが、組織の高いパフォーマンスを生み出すことに加えて、多様な働き手一人ひとりの、働き手満足、働き手のエンゲージメントにつながります。

 

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