「有効性」と何気なく使ったけれど

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、高いパフォーマンスを実現するための「証明された」リーダーシップと経営の実践的な方法(プラクティス)を示したものです。
 2020年12月に公開された最新版、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク2021-2022年版を確認しています。

 「業務運用の有効性」とタイトルに使い、本文にも「有効性」という言葉を使いましたが、こうした抽象的な概念は、それだけでは読んだ人、聞いた人、皆が同じように理解することは難しいですね。

 それを補うために、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークには、主要用語集が容易されており、「有効性」(名詞、effectiveness)のもとの形容詞「有効な、効果的な(effective)」も、用語として定義されています。

効果的(EFFECTIVE)
プロセスあるいは評価指標が、意図する目的にどれだけうまく対応しているか。効果的であるかを判断するためには、(1)そのプロセスが組織のニーズとどれだけうまく整合しているかを評価するか、(2)プロセスまたは製品のパフォーマンスの指標としてその測定の成果を評価するかが必要となります。
Baldrige Key Terms / NIST より引用。翻訳筆者)

 ボルドリッジ主要用語集では、最初の1文が用語の定義、それに続く文章が補足説明となっています。

 業務運用の有効性、効果的な業務運用、というときには、プロセスのことになると思います。業務運用がどれだけ組織が意図する目的にうまく対応しているか、ということになります。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークやその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーに示されていることを理解するためには、この主要用語集が役に立ちます。
 一般的な用語でも、いろいろな意味で使われているものは、ここでボルドリッジではどういう意味で使っているかが主要用語集に示されています。

 2021-2022年版では、主要用語集に「回復力(resilience)」という用語の定義が追加されました。逆に、主要用語集にあるが定義が一般的に使用されている定義と同じものになってきた「サイクルタイム(cycletime)」という用語は削除されました。

★★

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは有償ですが、筆者らが翻訳した要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府のウェブサイトから無償でダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。

 

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