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日本企業のイノベーションはなぜ進まず、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのか?

 「日本企業のイノベーションはなぜ進まず、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのか?」というタイトルで開いている内部統制評価基準改訂版発刊記念セミナーの後半のセッションでボルドリッジをベースにイノベーションを生み出す組織づくりについて話をしています。

 「ゲシュタルト崩壊」というのは、全体性を持ったまとまりのある構造から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象のことです。

 現在の経営環境においては、いまやっていることに一所懸命に取り組んでいること(PDCA)が、時代の変化に伴って、組織全体が本来進むべき方向から外れてしまう状態のこととして捉えることができます。

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 (図は同セミナー資料(高梨智弘氏作成)より引用。)

 この高梨智弘講師の話を受けて、イノベーションを組織として生み出すための基盤づくり、組織文化の形成について、ボリドリッジをベースに話をしています。

 イノベーションの定義もボルドリッジを採用しました。

イノベーション(ボルドリッジ)
プロセス、製品、組織、あるいは、社会の幸福を改善(向上)し、利害関係者に新しい価値をもたらすために、意味のある変更を加えること。イノベーションの成果(outcome)は不連続のすなわち画期的な改善(向上)です。
出典:「Baldrige Key Terms / NIST、Innovation」、翻訳筆者

ここではさらに、マーケティングとイノベーションの違いを紹介しました。

「事業は顧客の創造を目的とするものであるから、いかなる事業も二つの基本的機能、―すなわちマーケティングとイノベーション―を持っている。」(P.F.ドラッカー「現代の経営」より)
マーケティング
顧客が求める真の価値を知り、それを満たす製品・サービスを生み出し、適切なあり方で顧客に提供するということです。
顕在化しているニーズに応える

イノベーション

新しい価値を生み出す。
潜在的な、顧客が気付いていないニーズを見出し、新たな需要を創造する

ドラッカー氏が述べているのは、製品・サービスについてのノベーションに近いですが、そこで述べてるマーケティングとイノベーションの違いの重要なポイントは、顕在化しているニーズに応えるものか(マーケティング)、潜在的な、まだ顧客が気づいていないニーズに応えるものか(イノベーション)という点です。

非常にわかりやすい区分なので、取り上げました。

そのあとは、イノベーションを生み出す組織づくりのためにまず取り組むべきこととして、「変化」「失敗」「常識」の3つをキーワードに説明しています。

これまでにこのノートで紹介してきたことです。

★★

セミナーは有償ですが、内部統制評価機構の「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント(改訂第一版)」が特典としてついてくるので実質無料です。興味がありましたら、ぜひご聴講ください。(好評により、追加開催も計画されています。)

案内は特定非営利活動法人内部統制評価機構のホームページをご覧ください。





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