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職場の安全性は基本的な要求事項です

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。
 6.2 運用の有効性では、安全な職場環境を確保し、顧客に価値を提供するために、効果的な運用を確実にする方法を尋ねます。

 職場・働き手の安全性の確保について尋ねます。

(3)働き手や職場にいるその他の人々に安全な業務運用環境をどのように提供していますか。
(Baldrige Excellence Builder 2021-2022より。翻訳筆者)

 組織の安全システムは、事故の防止、調査、障害の根本原因分析、および回復にどのように対処していますか。

 全ての組織は、規模を問わず、働く職場の安全のために最低限の法律で決められた基準を満たすことが求められています。しかし高いパフォーマンスを上げる組織はこれらの最低限の基準を満たすだけではなく、コンプライアンスの枠を超えて、安全第一のコミットメントを確実にする適切なプロセスが用意されています。

 これには、直接関係する職場の人々の意見を取り入れる前向きなプロセスの設計が含まれ、安全な職場環境を確保するとともに、構内の顧客および利害関係者にとっても安全な環境を確保します。

 職場の安全は、核となる価値観と概念のひとつ「人を大切にする」の基本的な要素です。

人を大切にする
 成功する組織は、働き手と組織に関与しているその他の人々を大切にします。それらは、顧客、地域の人々、サプライヤーやパートナー、および組織の行動の影響を受けるその他の人々を含みます。
(「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」より。

 組織の成功は、有意義な仕事、明確な組織の方向性、学ぶ機会、パフォーマンスに対する責任から恩恵を受け、熱意を持って取り組む(engaged)働き手にますますかかっています。その働き手はまた、安全で信頼でき、協力的な環境を持っている必要があります。

 働き手の人々を大切にすることは、働き手のエンゲージメント、成長、幸福に責任をもって取り組むこと(committing)を意味します。(これには、職場や生活のニーズの変化に合わせた、より柔軟な仕事のやり方を提供することが、ますます必要とされるかもしれません。)働き手を大切にする際の主な課題としては、
(1)働き手の成功に対し、組織のリーダーが責任をもって取り組んでいることを示すこと、
(2)通常の報酬制度を遥かに越える動機づけと称賛を提供すること、
(3)時によって変化する職場や生活のニーズに合わせた柔軟な仕事のやり方を通じてワークライフバランスを支援すること、
(4)多様な働き手のための一体的で(分け隔てない)公平な環境(an inclusive, equitable environment)を創り出すこと、
(5)組織内での能力開発と成長を提供すること、
(6)中断や移行中にサポートを行うこと、
(7)組織の知識を共有して、働き手が顧客に対してより良いサービスを提供し、戦略目標の実現に貢献できること、
(8)イノベーションを達成するためにインテリジェントリスクを取ることを奨励する環境を創り出すこと、
(9)働き手および組織がパフォーマンスに対して責任(accountability)をもつシステムを開発すること、および
(7)多様な働き手のための包括的な環境を創り出すこと、
などがあります。リモートワークの増加に伴い、地理的に分散した働き手が有意義な仕事、明確な組織の方向性、学習の機会、およびパフォーマンスに対する責任(accountability)から便益を得られるようにすることが、課題に加わりました。
 リーダーを含む働き手メンバーの成功は、彼らが学ぶ機会があるかどうかにかかっています。この学習には、組織の将来のコアコンピタンスに備えて人々を準備することが含まれます。職場内訓練(OJT)は、交差訓練を行い(cross-train)、訓練を組織の要員充足ニーズ(capacity needs)と優先度により密接に紐付けるための費用対効果の高い方法を提供します。組織がボランティアに依存している場合は、ボランティアの個人的な能力開発と学習も検討することが重要です。

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 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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