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顧客満足、不満足をどのように把握していますか

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークあるいはその要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの質問から、「顧客」について見ていきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、「3.2顧客エンゲージメント」(p9)で、顧客との関係を構築し、顧客の満足度とエンゲージメントを高める方法について確認します。

 顧客満足、顧客エンゲージメントの把握に関する質問です。

(5) 顧客の満足、不満足、および顧客エンゲージメントをどのように判断していますか?
(6) 他の組織と比較したあなたの組織に対する顧客の満足度に関する情報をどのように取得していますか?
Baldrige Excellence Builder 2021-2022, p9より。翻訳筆者)

  顧客があなたの組織の製品・サービスやブランドに満足しているのか不満を持っているのか、満足しているとすればどのぐらいか、高いエンゲージメントを持ってくれているかをどのように把握しているかを尋ねます。
 あなたの組織に対する顧客の満足度は、果たして競合や他組織と比べてどのぐらい優れているか(あるいは劣っているか)をどのように把握しているかを尋ねます。

 顧客の満足、不満足、エンゲージメントの把握方法は、顧客グループや市場区分によって、違える必要があるかもしれません。
 また、把握できたとして、それがすぐにアクションにつながるような情報でなければ意味がありません。
 顧客満足度調査の評点を確認して、満足度が低いということを把握するだけではなく、それに隠れている顧客の不満を把握することが重要です。顧客の不満を把握し、根本的な原因を特定し、体系的な改善策によって将来の不満を回避できるようにすることです。

 他の組織との比較には、
・競合組織の満足度との比較
・類似の製品を提供する他の組織の顧客満足度との比較
・業界ベンチマークとの比較
などがあります。
 業界の情報は入手しやすい部類と思われますが、個別の組織の顧客満足に関する情報の取得は難しい場合が多くあります。
 しかし、こうした比較情報を取得することで、そこから、顧客があなたの組織よりも競争相手を選ぶ理由を明らかにし、対応をとることができます。

 顧客満足と不満の把握には、
各種調査
・公式および非公式のフィードバック
・顧客の取引履歴
・苦情
・現場からの報告
・受注/失注分析
・顧客による紹介率
・取引完了率
などが用いられます。

 競合組織に対する顧客の満足度の把握には、
・受注/失注分析
・組織自身が行う比較研究
・独立機関の調査結果
などの情報があります。
 顧客の嗜好に結びつく要因は、市場を動かし、組織の長期的な競争力と成功に影響を与える可能性のある要因を理解する上で非常に重要です。

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 筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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