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リーダーの能力開発

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの3つ目は
3.個人・組織の学習の仕組み
です。

 リーダーの能力向上について確認します。

3.(1)指導・統率力等の自己研鑽
 経営者及び経営幹部は、統括責任者としての自覚を持ち、指導・統率力強化、経営センスを磨くため、自己研鑽につとめていますか。
3.(2)経営者の体験を活かす努力
 経営者は、自己の経歴、成功体験、失敗経験を経営に生かすべく、最大の努力をしていますか。

 これらに関しては、次の点がポイントとなります。 

経営者としての役割認識
・経営者は経営に関する自己の信念と哲学を持っていますか。
・経営者は自己の任務を自覚していますか。
・経営者は尊敬される品性・品格を具備すべく継続的に努力していますか。

経営者自身の自己研鑽
・経営者は経営者として必要とされる経営に関する知識を備えていますか。
・経営者は他の企業の経営者との交流・セミナーへの参加・読書等により継続的に自己研鑚に努めていますか。
・経営者は指導力・統率力の意味合いを理解し、それらを向上させるべく継続的に努力していますか。

経営幹部(リーダーシップチーム)の育成
・経営者は経営幹部に対して自己研鑽に努めるよう奨励していますか。
・経営幹部は、将来経営を担うべく、指導力・統率力・経営センスを磨いていますか。
・経営幹部向けの教育・研修を実施していますか。
・経営者は経営幹部の指導力・統率力強化のため、定期的にコミュニケーションを図り、必要があれば改善指導を行っていますか。

失敗を認めそこから学ぶ姿勢
・経営者は過去の成功体験を分析し、それを経営に生かしていますか。
・経営者は過去の失敗体験を分析し、それを経営に生かしていますか。
・経営者は、失敗した場合の影響を会社として許容できる範囲にとどめるため、失敗の管理の仕組みを構築していますか。

失敗を許容する組織風土の育成
・失敗をしても簡単にあきらめないという組織風土を構築していますか。
・経営者は現在の環境変化の激しい状況下では、必ずしも過去の成功体験が通用しないということを認識していますか。
・経営者は成功体験や失敗経験を分析し、将来のリスク回避策を講じ、社内で共有化していますか。
・経営者は、失敗に対して寛容な文化・組織・制度等を構築する努力をしていますか。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。





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