倫理的行動を組織の文化と価値観の基盤におくことが大切
ボルドリッジで、企業の社会的責任と企業倫理がどのように扱われているかを確認しました。
カテゴリー1.リーダーシップに「倫理的行動」に関する質問があるので、いま一度振り返っておきます。
「倫理的行動」はボルドリッジの主要な用語集に定義されています。
「倫理的行動」は、働き手、株主、顧客、パートナー、サプライヤー、地域社会など、すべての利害関係者とのやり取りに関わります。
ボルドリッジの「核となる価値観と概念」のひとつに「倫理と透明性」があり、そこに「倫理的行動」について、次のようにあります。
組織の倫理原則は、派遣社員から取締役会のメンバーまで、組織に属するすべての人々に適用されます。これらの原則は、常日ごろ共有され強く意識づけされることで有効に働きます。
ボルドリッジ・フレームワークは、倫理的行動を確かなものとするための特定のモデルを規定していませんが、経営幹部は、組織のミッションとビジョンを組織の倫理原則と一貫性をもたせる責任があります。
このため、この質問がリーダーシップにあります。
適切に設計され、明確に表現された倫理原則により、人々は確信を持って効果的な決定を下すことができます。組織によっては、倫理原則は、もしそれに反すれば組織や社会に悪影響を与える可能性のある行動を制限する境界条件としても機能します。
重要なのは、組織の倫理原則を、常日ごろ共有し補強することです。また、倫理的行動に対する違反を監視し対応することです。そして、それらの活動の結果を評価尺度・指標によって確認し、改善していきます。
倫理原則を組織の価値観に組み込んで常日頃徹底すること、そうした「理解」だけでは不十分で、倫理的行動に対する違反があればそれがわかる仕組みづくりも重要です。
社外取締役の設置によるガバナンスの強化、内部監査など内部統制の仕組みづくり、倫理ホットラインなどと呼ばれる内部通報体制の整備などは、その事例です。
顧客、社員、株主、投資家など利害関係者の間ではOKとなっても、SNSなどによって広く社会から信頼を失っていく時代です。たやすく破綻につながりかねないリスクと捉えて、対応することが求められます。
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ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
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