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社会の幸福と利益に資する

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは、あなたの組織の業績を向上させるための最も重要な質問集です。
 リーダーシップに関する質問の後半を見ています。

 次は、社会貢献の質問です。これには、社会の幸福地域社会の支援の2つの質問があります。

社会の幸福
(5)社会の幸福と社会的利益を、どのように戦略および日常の事業運営に組み込んでいますか?

 そして、環境システム、社会システム、および経済システムの健全性にどのように貢献していますか?

 ここで「幸福」は well-being です。原語の語意のとおり「良好な状態」を指します。感情の上の幸せ(happiness)と区別するために、「福利」「福祉」「健全性」という訳語を充てることもあります。
 また「利益」はBenefitです。人や社会の幸福につながる便益や恩恵です。

 企業の社会的責任(CSR)という概念が受け入れられるようになり、高いパフォーマンスの組織は社会に貢献することは、やらなければならないこと以上のものであると考えています。
 組織とどのように関わるかについては、その組織の社会貢献が考慮されるようになってきました。 社会貢献に取り組むことが、顧客および働き手のエンゲージメントにつながり、市場での差別化要因の原動力ともなります。顧客価値や株主価値は、環境、社会問題、労働慣行、消費者製品の安全性などの問題にどのように取り組んでいるかによってますます影響されるようになりました。

 社会貢献は、コンプライアンス志向を超えることを意味します。

 環境面や社会システム及び経済システムの健全性に貢献する機会や、主要な地域社会を支援する機会を有することは(これは次の質問で尋ねます)、どのような規模の組織であっても可能です。
 これらの貢献のレベルや幅は、組織の規模と貢献能力に依存します。

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 ボルドリッジでは、具体的にどのような貢献を行うかは規定していません。組織が自身の規模や能力に応じてその範囲を決めていくものとしています。
 したがって、例えばSDGsなどの具体的な名前は出てきませんが、報告するべき社会の幸福と便益の領域には、
・環境の改善
・地域社会のサービス、教育、健康、および緊急事態への備えの強化
・社会的不平等への対処
・貿易、ビジネス、または専門家諸団体の活動の改善
などが含まれるとしています。

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 ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。


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