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3.個人・組織の学習の仕組み

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの3つ目は
3.個人・組織の学習の仕組み
です。

 カテゴリー3.個人・組織の学習の仕組みは、次の10個の項目で構成されています。

3.(1)指導・統率力等の自己研鑽
3.(2)経営者の体験を活かす努力
3.(3)企業価値向上の指導力発揮
3.(4)業務目的・役割・立場の理解
3.(5)目標の設定、実現、自己チェック
3.(6)固定概念払拭と根本的改革実施
3.(7)目的共有のリーダーシップ
3.(8)チーム学習による組織能力拡大の仕組み
3.(9)適正配置による組織編制
3.(10)有機的協調・協働・相互補完体制

 組織のメンバ一人ひとりの能力開発に加えて、組織やチームとしてメンバーの能力の総和以上の力を発揮するための組織開発が重要です。

 組織学習はボルドリッジにおいても基本的なテーマです。これについて、10の項目に分けて確認し、改善していきます。

 これらの項目はそれぞれに質問があります。その質問が、内部統制の要求事項になります。

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では別々のページに離れて記載されている項目およびその質問を一覧してみます。

        3.個人・組織の学習の仕組み
3.(1)指導・統率力等の自己研鑽
 経営者及び経営幹部は、統括責任者としての自覚を持ち、指導・統率力強化、経営センスを磨くため、自己研鑽につとめていますか。
3.(2)経営者の体験を活かす努力
 経営者は、自己の経歴、成功体験、失敗経験を経営に生かすべく、最大の努力をしていますか。
3.(3)企業価値向上の指導力発揮
 経営者は、経営幹部、管理職や従業員の助言を得て、全社的な企業価値の向上、経営効率の向上のための指導力を発揮していますか。
3.(4)業務目的・役割・立場の理解
 個々の経営幹部、管理職、従業員は、自己の職場における業務目的、役割、立場を十分理解していますか。
3.(5)目標の設定、実現、自己チェック
 個々の経営幹部、管理職、従業員は、自己の活動について、顧客価値の向上、効率化の達成のための目標を設定してその実現に努め、その過程と結果について自己チェックを行っていますか。
3.(6)固定概念払拭と根本的改革実施
 経営者、経営幹部、管理職は、会社の競争力強化のため、従来の固定観念を払拭し根本的改革を実現するための施策を実施していますか。
3.(7)目的共有のリーダーシップ
 経営幹部、管理者は、チームワークの円滑な遂行のため、担当部署内の従業員の活動目的・価値の共有化を目標として明確に掲げ、リーダーシップを発揮していますか。
3.(8)チーム学習による組織能力拡大の仕組み
 会社の各組織は、組織能力の拡大発展のため、チーム学習による知識・経験の共有、情報交換、改善提案の尊重と実行等、顧客価値と効率の増加を図る施策を実施していますか。
3.(9)適正配置による組織編制
 会社の組織編成にあたり、従業員の配置、人員の決定は、各従業員の能力、当該組織の仕事量とのバランスに十分配慮して決定され、有効に機能していますか。
3.(10)有機的協調・協働・相互補完体制
 会社の各部署は、業務の違いはあっても、有機的な協調、協働、相互補完体制を維持、確立し、全社的な経営価値、効率の向上を目指していますか。
(「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」より引用。)

  「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」では、それぞれの質問(要求事項)に、10のポイントが示されており、それをチェックする仕組みです。

 10のポイントは、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を見ていただくとして、このノートでは、それぞれの質問の意味するところ(要求事項)を、ボルドリッジの視点から確認していきます。


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