伝統企業のDX5つのステップ
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク、最新の2021-2022年版で特に着目した点に「デジタル化と第4次産業革命」がありますが、丁度、デジタルトランスフォーメーション(DX)について話す機会を頂きましたので、その準備のため、関連する情報を集めています。
DHBR2020年9月号に掲載されたHBR翻訳論文「伝統企業のデジタルトランスフォーメーション5つのステップ」(R.G.McGrath & R.McManus, 2020)からです。
「貴社のデジタル戦略は?」このシンプルな問いは、しばしば伝統企業のCEOをパニックに陥れる。
冒頭の一文です。
日本企業のDXの取り組みが遅れているといわれて、いままさに官民挙げてそれに取り組んでいるわけですが、先進といわれる米国でも伝統ある大企業においては同様の問題を抱えているということがわかります。
既存企業は大規模投資を伴う「大博打」を打つのではなく、中核的業務に存在する問題を抱えたプロセスに着目し、それをデジタル化する機会を継続的に見つけていく形で進める、漸進的アプローチを推奨する。
ここではそのアプローチを実現するプロセスとして、仮説思考計画法(DDP)を用いたプロセスを提案する。
本来ならばその5つのステップをここに提示するところだが、それは論文を見ていただくことにして、既存の大企業に心強い主張を挙げておく。
デジタルネィティブのスタートアップ企業は、それまで社内で対応したほうが効率的だった多くの業務を市場、すなわちプラットフォームなどを利用してこなせるようになったため、その価値を損なわずに方向転換できるが、伝統企業にはそれが不可能に近い。
しかし、大企業は多様なアイデアを探索できるだけの資源を持ち、複数のアイデアを様々なプロセスやオペレーションで実験することも容易であるため、有力なモデルを発見できる見込みがあり、デジタルの課題に効果的に対応できる可能性も高まる。
すなわち、最初から適用するビジネスモデルを決めてそれに合わせて業務システム全体を刷新するのではなく、問題のある部分にふさわしいモデルを試行を通して学び、徐々に変えていくというプロセスのようです。
段階を踏んで、結果、大変革に至る。
改善を繰り返し継続することで、振り返ると大きな変革になっている、ボルドリッジのアプローチにも近い考え方です。
まとめてはみましたが、ちょっとハードでした。
同じ号に、「再起力」(レジリエンス)について書かれた論文を見つけたので、次はそれを見てみます。
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