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チーム学習

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」は特に「業務の有効性と効率性」を基軸にした「内部統制」の有効性を診断する評価基準です。この評価基準を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

 内部統制評価基準の8つのカテゴリーの3つ目は
3.個人・組織の学習の仕組み
です。

 組織学習に重要な役割をもつチーム学習について確認します。

3.(8)チーム学習による組織能力拡大の仕組み
 会社の各組織は、組織能力の拡大発展のため、チーム学習による知識・経験の共有、情報交換、改善提案の尊重と実行等、顧客価値と効率の増加を図る施策を実施していますか。

 変化の激しい時代においては、チーム学習による組織能力の拡大が持続的な競争優位を保持する重要なポイントです。

 「チーム学習」は、ピーター・センゲMITスローン校教授が提唱した「学習する組織」においてその5つの原理原則の一つに挙げられたものです。

 学習する組織は、自らの組織を自らの学習によって自律的に変革していくことです。固定化された組織能力ではなく、時間とともに蓄積され、更新される柔軟な変化対応の能力が今の組織に求められています。

 センゲの言葉では、学習する組織とは「人々が本当に望む結果を生み出す能力を継続的に拡大し、新しい、広大な思考パターンが育まれ、集団的な願望が自由に設定され、人々が一緒に全体を見ることを学び続けている組織」です。
 学習する組織の5つの原理原則を挙げています。
 第一に組織の方向性を明確に従業員に徹底するための「ビジョンの共有」、第二にビジョンを実現するにあたって障害になる「固定観念の払拭」、第三に企業のビジョンと個人のビジョンの一致した「自己実現への要求」、第四に物事・事象を多面的・多角的に捉え、各要素の関連性に注意を払いなが他考える「システム思考」、そして考え行動するときには皆で知恵を出し合い協力する「チーム学習」を提案しています。

 チーム学習は、意見交換やディスカッションを通じて、協働してチームの能力を向上させることができます。

 チーム学習には、個人だけでなくチームで学習することの必要性を従業員が十分に理解していること、チームとその各構成員の役割が明確になっておりそれが構成員に理解されていること、各構成員の知識・経験・ノウハウ等について他の構成員及び他のチームと共有されていること、各構成員の多様な意見を出しやすく且つ共有しやすい雰囲気・体制等を確立していることが、望まれます。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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