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戦略的機会を特定するプロセス

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、質問を通じて具体的に仕組みに落とし込んでいきます。

 カテゴリ7.環境変化に合わせたイノベーションの実現について見ています。

 イノベーションの実現に向けて、環境の変化をどのように捉えているかを確認します。

7.(1)環境変化の適切な認識・共有・対応
 組織は経営環境の変化を適切に認識・共有・対応する仕組みを構築していますか。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、組織としてイノベーションを生み出すのに必要なのは次の3つであるとしています。

・イノベーションを支援する環境
・何に戦略的に取り組むか(戦略的機会)を特定するプロセス
・インテリジェントリスクの追求

 この戦略的機会を特定するプロセスに、経営環境の変化の認識があります。経営環境の変化を捉え、何に戦略的に取り組むかを特定します。

 ボリドリッジにおけるイノベーションの考え方をもう少し見ておきます。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、継続的改善の仕組みづくりです。これによって組織の成熟度を高め、パフォーマンス向上につなげます。
 イノベーションと漸進的継続的改善は異なる概念ですが、どちらか一方でよいというわけではありません。成功する組織は、両方のアプローチを使用してパフォーマンスを改善します。

 イノベーションは、もはや製品開発における研究開発部門に閉じたものではありません。イノベーションは、業務運営のあらゆる側面、すなわち、すべての業務システムと業務プロセスにとって重要です。すなわち、イノベーションは日常業務に統合され、パフォーマンス改善システムに組み込まれます。

 イノベーションは、他の業界のイノベーションを適応させて、業界のブレークスルーを達成することから生じる場合があります。このようなイノベーションは、組織とその人々の蓄積された知識、および、パートナーや協力者、競合他社、顧客、その他の関連組織のイノベーションに基づいています。通常は一緒に仕事をしていない組織のさまざまな部署にいる人々、協働するネットワークの中のさまざまな組織の人々との間のコラボレーションなどが必要となります。
 したがって、組織のイノベーションを推進するには、新しい知識や蓄積された知識を迅速に普及させ、活用する能力が不可欠です。

 こうした考え方を踏まえて、環境変化の適切な認識・共有・対応に求められる要素を見ていきます。

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内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトをご覧ください。

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ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の経営フレームワークです。
筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。




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