将来の社会的懸念を先読みする
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは、あなたの組織の業績を向上させるための最も重要な質問集です。の質問から、リーダーシップについて見ています。
リーダーシップに関する質問の後半を見ています。
それぞれの質問をもう少し深掘りします。
次は組織の倫理に関する質問です。
1.2 ガバナンスと社会貢献
(3)製品および事業運営に関する現在および想定される将来の法律上の、規制上の、および地域社会の懸念にどのように対処していますか?
(Baldrige Excellence Builder より。翻訳筆者)
ここでは、法律や規制の要求事項への対応も含め、製品・サービスや事業運営が与える社会の不利益に対して、どのように取り組んでいるかを尋ねています。
また、将来の製品・サービスおよび事業運営に関して、どのように社会の懸念事項を予測し、備えているかを尋ねています。
Baldrige Excellence Frameworkでは、この質問に「法律と規制の遵守(compliance)」という標題がつけられています。
コンプライアンスは、法令遵守という言葉が充てられることが多いですが、法令に違反していなければよい、ということではなく、組織が提供する製品・サービスや事業活動が社会に不利益を与えないことが求められています。
社会への悪影響や懸念に積極的に備えるには、例えば、天然資源の保護、廃棄や処分まで含めたサプライチェーンの管理プロセス、などを含みます。
天然資源の保護は、
・「グリーン(環境にやさしい)」テクノロジーの使用
・二酸化炭素排出量の削減
・有害な化学物質から水を基調とした化学物質への置き換え
・省エネ
・クリーンエネルギーの使用
・副産物や廃棄物のリサイクル
などを通じて達成できます。
組織は、社会的関心事に対して、それらが法律や規制といった形で現在規定されているかどうかに拘わらず、常に敏感であることが求められます。
すなわち、現在目に見えている問題だけでなく、将来発生するであろう社会的懸念事項を先読みして、対応することが求められています。
かつて自動車業界は、排ガス規制などで、将来を見越して高いレベルの目標を設定してそれに取り組みました。
最近の事例では、女性に対する蔑視発言は、単に女性差別の問題ではなく、意識していない差別についても焦点を当て対応することが求められています。
模範的組織は、法的および倫理的行動の分野でも他より秀でています。
★★
ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
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