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結果の質問に答える

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは質問集です。質問に答え、その回答を評価し、改善に結びつけます。そして組織の将来の成功を確実なものにしていきます。

 そこでは組織の経営を7つの側面で観て、その重要な機能について尋ねます。それぞれの側面をカテゴリーと呼んでいます。それらは、(1)リーダーシップ、(2)戦略、(3)顧客、(4)測定、分析、ナレッジマネジメント、(5)働き手、(6)オペレーション、(7)結果、です。

 カテゴリ1~6は経営のプロセスに関する質問で、質問の多くは「ど
のように(how)」で始まります。組織の仕事をどのように実施しているかを答えます。

 ノートのマガジン「ビジネスに効く101の質問」では、質問一つひとつの内容を見てきました。

 カテゴリ7は結果のカテゴリーです。結果のカテゴリーでは、経営における主要な領域 を次の5つのアイテムに分けて、それぞれについて、組織のパフォーマンスと改善状況について尋ねます。

7,1 製品とプロセスの結果
7.2 顧客の結果
7.3 働き手の結果
7.4 リーダーシップとガバナンスの結果
7.5 財務、市場、戦略の結果

 これら5つのアイテムについて、組織の成功に最も重要な結果について報告します。

 報告には、次の4つの点を含めます。

レベル(Levels)
 現在のパフォーマンスはどうか。
傾向(Trends)
 結果は改善されているか。それとも変わらず同じままか、あるいは、悪化しているか。
比較(Comparisons)
 他の組織や競合組織のパフォーマンスとの比較、ベンチマークや業界リーダーとの比較ではどんな位置にあるか。
統合(Integration)
 追跡しているた結果は、組織にとって重要な結果か。結果を意思決定に使用しているか。

 それぞれの頭文字をとって"LeTCI"と覚えます。

 7,1~7.5は、1~6のカテゴリーと一対一に対応しているわけではありませんが、7.1 製品とプロセスの結果、7.2 顧客の結果、7.3 働き手の結果、7.4 リーダーシップとガバナンスの結果の4つのそれぞれの質問は、1~6のカテゴリーの質問(およびその回答)に関連しています。
 7.5 財務、市場、戦略の結果は、組織としての総合的なパフォーマンスを尋ねます。

 上述のLeTCIは、結果の質問への回答(報告)を評価する際の評価軸にもなっています。

 「組織の意思決定にも使用される重要な結果は、期待通りあるいはそれを超えるレベルにあり、またそれは年々(あるいは期ごとに)向上しており、競合や業界水準あるいはベストと比べても、優れた結果を示している」というのが望ましい結果ということになります。

 結果はプロセスのパフォーマンスを端的に示すものです。結果そのものは直接改善することはできませんが、結果を評価して強みと改善領域を明確にして、対応するプロセスの改善を図ります。それによって、結果が改善されます。

 結果の質問についても、一つひとつ見ていきたいと思います。

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 ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


 

 



 

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