働き手に関する組織の能力について尋ねます
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、組織のパフォーマンスを向上するための最も重要な質問集です。質問に答えることで自ら気づき、改善を繰り返していくことで、現在と未来の成功を確実なものにしていきます。
カテゴリー5.働き手は、あなたの組織が働き手の熟練度と充足度のニーズをどのように評価し、高いパフォーマンスをもたらす働き手の環境を構築しているかを尋ねます。
「働き手の熟練度」と「働き手の充足度」について、確認しておきます。
働き手の熟練度(Workforce Capability)
人々の知識、スキル、能力、および強みを通じて業務プロセスを遂行する組織の能力。能力には、顧客との関係を構築し維持する能力、新しい技術への革新と移行、新しい製品や業務プロセスの開発、変化するビジネスへの適合、市場、規制の要求などに対応するための能力が含まれます。
(Baldrige Key Termsより。翻訳筆者)
働き手の充足度(Workforce Capacity)
季節やその他さまざまな要因で変動する需要レベルに対応する能力を含む、業務プロセスを完了し、製品を顧客に提供するのに十分な人員配置レベルを確保する組織の能力。
(Baldrige Key Termsより。翻訳筆者)
「働き手の熟練度」と「働き手の充足度」どちらも(働き手の能力ではなく)組織の能力である点は注意が必要です。
また、このカテゴリでは、組織の全体的な事業のニーズに合わせてその潜在能力を最大限に活用するために、組織が働き手をどのように関与させ、管理し、育成するかについても尋ねます。
「関与させ」は、原文は"engage workforce”です。働き手のエンゲージメントという言葉も一般的になってきましたので、エンゲージメントを高める、と訳した方がよいかもしれません。
働き手のエンゲージメント(Workforce Engagement)
組織の仕事、使命、ビジョンを達成するための働き手の感情的および理性的な献身(commitment)の程度。
(Baldrige Key Termsより。翻訳筆者)
以上見たように、このカテゴリーは、さらに次の2つ分けて尋ねています。
5.1 働き手の環境
効果的で支援的な働き手の環境をどのように構築していますか。
5.2 働き手のエンゲージメント
働き手を維持し、高いパフォーマンスを挙げるために、どのように働き手のエンゲージメントを高めていますか。
後先になりますが、「働き手」というボルドリッジ特有の概念についても、新ためて確認しておきます。
働き手(Workforce)
組織によって積極的に監督され、組織の業務の遂行に関与するすべての人々。それには、有給の従業員(例えば、正社員、非常勤社員、臨時社員、現場勤務および遠隔勤務の従業員、組織が監督する契約社員など)および、必要に応じてボランティアが含まれます。働き手には、すべての階層のチームリーダー、監督者、管理者が含まれます。
(Baldrige Key Termsより。翻訳筆者)
あなたの組織の特性に合わせて、社員や職員、従業員などに替えて質問に答えてください。
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ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
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