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デントツールを使った鈑金


今回はクォーターパネルの鈑金です。


けっこー広範囲の損傷、前後の長さはタイヤの直径くらいです


こういったクォーターパネルのケースですと

スタッドやハンダでの引き出しになると思いますが、僕はグルー(接着剤)で引き出してみようかと考えていました。


ですが、ライナー(泥除け)を外してみると裏はガラ空きでしたので

デントツール(ロッド)を使って押し出してみることにしました。




それにしてもホイルアーチのプレスラインがいやらしい形です。

しかし、ロッドを使うと正確に押し出せるのでキレイにリペアできます。



叩いたり押し出したり、で完成。

デントリペア(無塗装の仕上がり)では無くパテをつけますので

大体まとまったあたりで塗装屋さんにパスです。




今回のリペアで使ったツール類。

これが無いと始まらない、デントライト。

 マキタの充電池を使うタイプ


光をあてると、より凹みの状態がわかります。


ツールで凹みを押し出すとパネルに映った光が変化しますので

それを観てどこを押し出しているのかを判断してリペアしていきます。


ある程度仕上がってきた段階でラインボードも使用し、全体の歪みを確認します。


小さい凹みでしたらラインボード無しでもまとめられますが

大きい凹みになってきますと、良い感じに仕上がって来たかなと思っても

ラインボードで確認すると緩やかに歪んでいたりするんですよね。

ですので完成度を上げるためにはラインボードはあったほうが良いです。




押し出すツール(ロッド)。

使ったのはこの2種類。

上の緑の取っ手のロッドはスタンダードなタイプですので今回のリペア以外でも使う頻度は高いです。

下の赤黒の取っ手のは少し特殊なタイプですね。

両方とも先端がネジ式になっているのでチップを付け替えることが出来ます。



チップ。

左から
・ラバーボール
・広い範囲を押し出せる、ラバーの首振りヘッド
・メタルにラバーのキャップ
・フェノール素材の細
・扇形で鋭い先端


大まかに押し出すのに使ったのがラバーボールとブルーの首振りヘッド。

それよりもう少し細かく押し出したい時に使うのがラバーのキャップをつけたメタルのチップ。

さらに細かく押し出せるのがフェノール素材の細いチップ。



最後の扇形のチップはフェンダーエッジに使います。


今回の車とは違いますが

フェンダーエッジの角を押し出すのに、この特殊な曲がりのロッドと扇形のチップが活躍します。



ポンチやブレンディングハンマーも使います。

折れて硬くなっている塑性部分をポンチやブレンディングハンマーで叩きほぐして凹みを押し出しやすくします。

強く的確に叩きたい時はポンチを使い、大まかにならしたり全体の折れや歪みなどを叩いてまとめ上げるのがブレンディングハンマーです。



と、このようにデントライト、ロッド、チップ、ポンチ、ブレンディングハンマーなどのツールを使いリペアしました。

とはいえツールがあれば誰でもすぐに出来るという訳でもありません。

センスのある方はどうなのかわかりませんが

僕のような凡人は練習が必要です😅

ですが出来るようになってくると楽しいですね。



デントツールを使用し塗膜を剥がさずにリペアするメリットは

眼で歪みを確認しながら(手でも触りますが)リペア出来ますので、パテをつけたとしても違和感のない仕上がりが可能です。


以上、ありがとうございました。


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