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2020年8月の記事一覧
Principle 8: 「その人」を診る
Principle 8
家庭医は患者の主観的・個人的な側面を扱う。医療は長い間、過剰に客観的で実証主義的なものとなっていた。家庭医は、感情への感受性と、関係性への洞察によって、こうした医療にバランスをもたらす。これには自分を含めた感情に対する知恵が必要になる。家庭医療が自己省察的な医療である必要性がここにある。
McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhi
Principle 7: 患者を家で診る
Principle 7
家庭医は患者を患者自身の家で診る。様々なライフイベントが生じる場所が家である。出産、死、闘病。こうしたイベントに家族とともにそこに居合わせることは、患者とその家族についての深い理解を身につけることに繋がる。家を知ることは、患者のillnessがなぜ・どのように生まれているかについての繊細なニュアンスを知ることに繋がる。近年の病院医療は技術面や効率面での利点があるものの、こう
Principle 6: 患者と同じ地域に暮らす
Principle 6
家庭医は患者と同じ地域で生活することが望ましい。患者に起こっている様々な環境的変化に気づくことができるからである。
McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhinney's Textbook Of Family Medicine. Oxford: Oxford University Press.
書の中では地域に起こっている土壌汚
Principle 5: 自分をネットワークの一部とみなす
Principle 5
家庭医は自分をコミュニティにひろがる支持的ネットワークの一部とみなす。このネットワークには公式のものも非公式のものも含まれる。ネットワークの構成員は全体像を把握しないままに動くこともあるが、家庭医はこのネットワークを患者にもっとも役立つ形で機能させるという重要な役割がある。
McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhinney's
Principle 4: リスク集団をみる
Principle 4
家庭医は自分の診療対象を「リスク集団 (population at risk)」とみなし、個々の患者と集団の両方のことを考えなければならない。予防接種やチェックアップに来ている人たちと同じように、来ていない人のことも考えなければならない。
McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhinney's Textbook Of Family
Principle 3: 受診を健康増進の場にする
Principle 3
家庭医は患者と会うあらゆる場面を予防や健康増進の機会としてとらえる。
McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhinney's Textbook Of Family Medicine. Oxford: Oxford University Press.
Principle 1を思い出して欲しい。家庭医の患者に対するコミットメントには
Principle 2: 病のcontextを理解する
Principle 2
家庭医は病(illness)のコンテクストを探求する。アメリカの哲学者であるWilliam James (1958)は「物事を正しく理解するためには、その内側と外側の両方から観察し、そのあらゆるバリエーションについて精通しなければならない」と述べている。あらゆる病も、患者個人における、家族内における、コミュニティないしは社会における文脈から見てみない限り、十分に理解すること
Principle 1: 患者にコミットする
さぁ、それでは例の書からprinciplesを紐解いていこう。
"あるclinical disciplineに所属するメンバーは、何を知っているかではなく、何をしているかで分類することができる。したがって、この「何をするか」という行動を規定するprinciplesから考え始めると、家庭医が何を行う存在なのかが見えてくる。これから9つのprinciplesを紹介するが、どの1つをとっても家庭医療に
家庭医療のprinciplesを目に触れるように
自分は今日現在で15年目の家庭医だが、日本で家庭医療を学び、実践し、後輩の育成に関わるようになって、長い間気にしてきたことがある。
それは、家庭医療のprinciplesというものを学ぶ機会が、研修プログラムとしてはどこにもないということである。こうしたprinciplesがあるからこそ、家庭医療はユニークなacademic deciplineになっているはずなのだ。しかし、基本的に研修プログラ
The Origins of Family Medicine
ここでは家庭医療の歴史について紹介する。と言っても、以下のテキストの抜粋である。テキストはカナダのWestern Universityの著者らによって書かれているので、北米における歴史が中心である。
McWhinney, I. and Freeman, T., 2016. Mcwhinney's Textbook Of Family Medicine. Oxford: Oxford Univer