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イベントレポート:「ファミリーキャリアって?」~いまこそ、家族のキャリア戦略を考えよう! 

グロービス・ワーキングペアレンツ・クラブ(GPC)幹事の佐々木(20期仙台)です。
7月19日(金)に実施した「ファミリーキャリアって? -いまこそ、家族のキャリア戦略を考えよう-」のイベントレポートをお届けします。本イベントは、当クラブの人気イベント第3弾!
今回も、多彩なファミリーキャリアを持つ3名の方をパネラーにお招きし、具体的で参考になるお話をたくさん伺いました!!

1.ファミリーキャリアについてのおさらい 

まずは、5つのキャリアタイプをご紹介。

シングル・キャリア(専業主婦・主夫)
夫婦のどちらかのキャリアが、すべてを決定づける。その配偶者と子どもはそのキャリアに従う形。

リード・キャリア(夫/妻が正社員、夫/妻がパート等)
シングル・キャリアから派生したモデルで、一方のキャリアが明らかに支配的で、夫婦の生活拠点を決定づける。パートナーは、パートタイムや融通のきくフリーランスなどのキャリアを持つ場合が多い。

並行型キャリア(夫も妻もバリバリ働く)
それぞれが似たような、非常に有力なキャリアを持つ夫婦で、いわゆる「パワー・カップル」と呼ばれることも。互いに補強し合う職業的ネットワークと知識を持ち、互いのキャリアを強化し合う場合が多い。

交替型キャリア(今は夫/妻がMBA。卒業したら夫/妻が取得する等)
それぞれが次の昇進や地理的な移動に対する優先権を持ち、パートナーは役割の調整に合意する。

補完型キャリア(夫は夜勤。妻は日勤等)
仕事の性質、キャリアのフェーズ、繁忙期や勤務時間帯など、年間を通じて、あるいは人生の各段階において、両者の大変な時期が重ならないようにキャリアを構築。

さらに、興味深い2つのデータもご紹介。

・専業主婦(夫)家庭と夫婦共働き家庭の生涯年収の差は、2〜3億円
・出産前に非正規・退職になった場合、出産後正社員になるのはわずか12.5%

こういったデータを見ると、互いのキャリアを長期視点で真剣に考える・相談する必要性がより増してきますね!

大切なのは、一人ひとりの納得感。柔軟に変遷させていって良いという考え方。

2.パネルディスカッション

後半は、多様なファミリーキャリアを選択してきた3名のパネラーのご登壇!

Aさん(男性:40代、現在 製薬会社営業 管理職)
Bさん(男性:40代、現在 キャリアコンサルタント)
Cさん(女性:30代、現在 個人事業主)

パートナーのキャリア変遷、ご自身・ご家族の節目となったこと、パートナーとお互いにどんなコミュニケーションをとってきたかについてお話いただきました。

Aさん 
ご自身がプレイヤーとして活躍していたころ、パートナーは子育てに注力していたとのこと。Aさんが管理職になって様々な困難に直面するなか、良く伴走してくれていたそうです。この伴走の経験を生かし、パートナーご自身は、コーチングのスキル・キャリアを開発、その道のプロへ。

Aさんが大切に思うこと、それは、パートナーはパートナーの人生(キャリア)を生きること。キャリアをお互いまっすぐに見ようとしているそうです。伴走する形、隣にいるという状態が良いとも。ご自身が、パートナーのキャリアに何かを言う・向き合うという形ではなく、自分のキャリアは自分で作るということを大切に。そのおかげか、お子さんも自然とそういった考え方になっているそうです。お子さんに対しては、自己責任を大切に、失敗の経験も大切だと話しているとのこと。何も言わず見守っているそうです。

現在は、並行型キャリアで、今が一番良いと断言されていました。この状態をずっと続けていきたい、今はパートナーとの対話の時間が増えていると幸せそうに話されていたのが印象的でした。

Bさん 
Bさんご自身は、以前IT業界にてバリバリ忙しく働いてきたが、現在の会社で育休を3年取得中。前職において、若くして病気で亡くなられた同僚がいて、そのお子さんが当時4歳だったそう。「こんなことになるなら、もっと子どもと過ごせばよかった」と話していたことが印象強かったそうです。その経験から自分に子どもができたら後悔しないように、子どもとの時間を大切にしたいという想いを強く持っていらっしゃいます。

パートナーのキャリアについて、最初、パートナーはキャリアについて考える土俵にいなかった時期もあったそうですが、もしBさんに急なことがあった場合にどうなってしまうのか、自身の経験を話し、対話を互いに重ね、キャリアについて考えてみるよう促してきたとのこと。その後、パートナーからキャリアについて具体的に希望が出てきて話せるようになったそうです。現在パートナーも共に育休中。復帰後に新しい業務に挑戦したいとのこと。

キャリアタイプの変遷として、リード・キャリア→夫婦で育休(現在)→交換型キャリアになっていく見通し。今は、ご自身がMBA取得中。パートナーが復帰後にはフルタイムで働きたいとのことで、その時は自身が時短で働こうか考えているそうです。将来的な理想は、並行型キャリア。互いのキャリアを長期的に見通されている姿に、非常に感心しました。

Cさん
元々、ご自身もパートナーも仕事中心の生活。転職組・女性が管理職になりにくい会社にいたこともあり、ポジションになかなか恵まれないなら、別の会社に転職をしようと決断。内定が出た同じタイミングで、パートナーの海外赴任が決まる。一緒についていくか、どうするか悩んだそうですが、一緒に子育てすることを重視して海外へ。その間、MBAを取得することをパートナーと合意。受講に際して、パートナーが協力的だったので助かったそうです。

帰国後、ブランクがある状態、かつ1歳児を抱えての再就職が難航。保育園も決まっていなかったので、就職より起業を選択。長い人生を考えたときに、これから先、再度海外への転居の可能性もあるなかで、個人としてのキャリアを積んでいく方が有利と考え、今は、自分でやりたい事業にチャレンジしていきたいと決断されたそうです。

キャリアタイプの変遷として、並行型キャリア→シングル・キャリア→リード・キャリア→交換型キャリア→補完型キャリア。5つが揃うことは大変珍しい!というコメントも。

三者三様のキャリアタイプの変遷でしたが、ご自身とパートナーのキャリアを共に真剣に考え、大切にしているご様子や、パートナーとの対話を通じて、長期的に互いを支え合い共に生きていこうとするご様子が、とても参考になりました!

3.グループディスカッション

パネルディスカッションの後は、記入したファミリーキャリアシートをお互いに見せ合いながらグループディスカッション。参加者の皆さんから全体にシェア頂いたコメントをご紹介します。

・夫婦間で、直接的な対話を通じてキャリアに気づきがあった場合もあれば、第三者の力を借りて(コーチを活用)、内省しながら気づきを促すことをしている方の例もあり参考になった。

・パートナーのキャリアとどう向き合うか。自分自身のキャリアを築くだけでなく、パートナーのキャリアにも関心を寄せることの重要性がわかった。自身の成長、スキルアップも、引き続き促していきたい。

・子どものことや50〜60歳という先のことも想像し、話すことができた。今まで、自分のキャリアを考えることが多く、パートナーに目を向けることがなかなかなかったので、パートナーとどう一緒に良い人生を歩んでいくかを考える良い機会になった。

参加者の方々が、ご自身のキャリアのみならずパートナーや家族のライフプランについて、真剣にそして、楽しく前向きに考えているのがとても印象的でした。特にパートナーとお互いのキャリアについて対話する機会って、なかなかない!作らなきゃ!ということに気づかされました。


長期視点でのファミリーキャリアを考える必要性を語り合った、楽しく有意義な時間でした!

みなさんも、ぜひ一度ファミリーキャリアについて考え、対話してみてください!


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