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荒木さんと考える「等身大」の子育てやキャリアの話 イベントレポート

こんにちは!グロービス・ワーキングペアレンツ・クラブ(GPC)幹事の大池牧子(2019期オンライン校)です。

【荒木さんと考える「等身大」の子育てやキャリアの話】と題し、株式会社学びデザイン 代表取締役社長の荒木博行さんにご登壇いただきました。

荒木さんは、本の要約サイトであるflier(フライヤー)にエバンジェリストとして関わる他、武蔵野大学で客員教員なども務めるなど、「学びをプロデュースする」という軸・立場でこれまでキャリアを歩まれてきました。

今回は、参加者からの質問にお答えいただく形式で開催。
その中で印象に残ったトピックを一部、ご紹介します。

子どもは親の作品でなない

ひとつ目のテーマは、「子育て」
まずは、こんな質問から。

押し付けても長続きしないとわかりながらも放置し続けることもできないため、うまいバランスが知りたいです。

うまいとはどういう状態かは、もはやわからない。と思うんです。
なぜかというと、お子さんが死ぬときに、いい人生だったなと思うかどうかまでわからない。
短期間で答え出せるテーマではなく、最終的には、その子が何をしたいのか。

そして、「うちの子育てすごいぜ」というのは、子どもへの呪いになる。

自分が、子育てに関して感じていることは、
「短期的には結果は出ない」ということ。

親はビジネスと同じ時間軸で子育てを見るが、
子どもの時間軸は、全く違うものだと思った方がいい。

SNSで発信をしたら、ファンが増えたというような、
こういうことをやったらこうなったという感覚は子育てには当てはまらない。
それは、贈与的な時間軸なんだと思う。昔言ってたことが3年後にわかるというような。
小学校の時に言われてた言葉が、大人になってからわかるというイメージだと思うんです。
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荒木さんのこのメッセージに、参加者の方から、「子どもは親の作品ではないですよね。」というコメントもありました。我々はすぐに正解を求めてしまいがちですが、長期的な視点や、普段の仕事の枠組みから離れて考えることを忘れたくないなと感じました。


俯瞰の時間をつくろう。

二つ目のテーマは、「キャリア」

荒木さんのパーソナルミッションは、学びのすそ野を広げる。
学ぶことの嬉しさ、楽しさを感じてもらいたい。
そんな荒木さんのキャリアへの考え方について伺いました。

キャリアを大きく変えた時があったとのこと。その時にどんなことを考えていたのですか?

実は、自分が意図した流れではなかったんです。
辞めることをその瞬間まで考えたことがなかった。
ふとした瞬間にキャリアの空白ができた瞬間があり、その瞬間に自分は辞めると決めてしまっていた。

後から、説明することは色々できるが、
その当時のことを率直に言うと、ただ身体が動いてしまっていた。
そして、自分の中の押さえていたクリエイティビティが止まらなくなった。

肩書に付随するやらなければいけないことに自負も意味も感じていたが
それがパッとなくなった時に、あふれだすように、書きたい、伝えたいと思った。

キャリアの作り方は人それぞれ。
合理的にロジック積み上げでキャリアを変えられるかというとそうではない。
ロジックで超えられない壁がある。

そこで大事なのは没入と俯瞰。

目標に追い立てられ、没入していると俯瞰できなくなり、俯瞰の筋力がなくなる
目標に追い立てられている姿を自分が客観視することが必要。
でも、ただ、俯瞰ばかりしていると嫌な人間になってしまうので、
何かに夢中になって没入することももちろん大事。
(荒木さんの記事「ダンスフロアとバルコニー、両方の視点を持つには?」を詳しくはご参照ください)

俯瞰の時間をちゃんと作ろう。
働いている自分に何を思うか、この先何もないなと思ったら、そこで降りるという方法もあると思いますよ。

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俯瞰すること自体も難しいですが、まずはその時間を作る。それが今の自分の仕事のアイデアだったり、キャリアに繋がっていくのかもしれない。余白時間、大事ですね。


好きなことしてください。そこに答えがある

最後に荒木さんからのメッセージ。

「好きなことしてください。そこに答えがある」

会社での役割は、義務感、have toもあると思います。
でも、ふとした時に、俯瞰してみる。何か違う生き方という選択肢もあり。
肩の力を抜いてみよう。

そうすると、出てくる矛盾はきっとある。
それは、答えのない問いである。

問いに悩みながら、割り切ったり、いやいやそうじゃないと自問自答しながら抱え続ける。
それでいいと思う。

人生をかけて成し遂げたいこと=志、の対義語は「割り切る」という考え方もあるように、
割り切りは簡単なソリューションで、選択するのは簡単。
何かに挑戦するのは割り切れないことを抱え続けることなのではないでしょうか。

例えば、
「他人を理解した」と言った瞬間にそれは偏見になる。
でも、「他人を理解できない」といった瞬間にそれは壁になる。
その中間にしか答えはない。

ということなんです。

参加の皆様からの感想

好きにしてください、という言葉が刺さりました。
つい、答えを求めてしがいがちですが、肩の力を抜いて歩いていこうと思います^ ^
いきつもどりつ悩みながら、わりきらずにネガティブケーパビリティ発動でやっていけたらと思いました。
「答えを示す」ではなく、「自分で考える」という姿勢が、非常に学びになりました。20歳くらい歳の離れた部下マネジメントに活かしたいと思います。
自然体で、わからない点をわからない、逆に教えてほしいという荒木さんの姿勢がとても印象的で素晴らしいなと思いました。
(荒木さんのお話が)自分の子育て観と共通項が多く、勇気をもらいました。没入と俯瞰、寄り道、余白を意識しながら一度きりの人生を楽しく過ごしたいと思います!

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中間で揺れ続けることはだめなこと、優柔不断なんじゃないかと思ってしまいがちですが、それが脳や情を持つ、人間らしさなのかもしれないと思ったのでした。

荒木さんのお話を聞いて、日々悩みを抱えながら考えていくことが、まさに、生きることなのかなーと感じたのでした。

子育てもキャリアも、まさに「等身大」の荒木さんのお話でした。
素敵な世界観をありがとうございました。

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