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秋田が誇るJAこまちのラナンキュラス


ラナンキュラスの有名な産地と言えば九州や長野が多いのですが、この大坂洋平さんのラナンキュラスは秋田の気候をうまく利用しながら栽培していて品質もピカイチ。
全国も3本の指に入るくらい素晴らしいという方も。
今回はその大坂洋平さんのハウスを見学させていただいたときのことをお話しします。

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大坂さんといえば、秋田県の南に位置する西馬音内でラナンキュラスやトルコ桔梗を栽培している花農家さんです。

特徴は何と言っても花の大きさと茎の太さ。
見ただけで「これは大坂さんのだ」とすぐに分かるくらいです。
そして抜群の花持ちの良さが魅力です。

花作りの歴史

まずは大坂さんが花作りに至った経緯についてお話しますね。

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野菜農家のご両親のもとで育った大坂さん。
今では想像できませんが20代の頃は部品製造の職場でお仕事をされていました。
退職後は特別やりたい仕事もなかったそうで、ご両親の農家をお手伝いすることに。
野菜メインの栽培だったそうですが、当時はすごくやりたくなかったようで特にスイカは嫌いだったとのこと(笑)
ただ、その中でもトルコの栽培は楽しかったとそうです。
それからトルコの栽培に力をいれ、その後に(15年ほど前)ラナンキュラスの栽培を始めたそうです。
大坂さんのいる西馬音内は豪雪の地域。

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冬の時期は、ほとんどの農家さんはお休みをするそうですが、その時期でも出荷できる花はないか、秋田の寒さに耐えれる花はないかと思っていたところ、「これはいけるんじゃないか!?」と思ったのがラナンキュラスだったそうです。
九州や長野の名産地へ出向いてかなり勉強されました。

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ただ、秋田の気候と九州の気候はまったく別。
一から試行錯誤しながら研究に研究を重ねて栽培に成功したそうです。
今ではいろいろな人に栽培方法をお伝えしたりして秋田でも少しずつラナンキュラスの生産者さんが増えています。

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ハウスの特徴

20棟程のハウスを持っている大坂さん。
そのハウスに入ったときの一番の印象は
「すごくきれい!!」
ハウス自体は新しいものではないそうですが、きれいです。
花株も整理されていて、悪くなっている葉が見当たらない。
花も茎も葉もみんなイキイキとしていて私たちにとっては夢のような世界でした。
ハウスに入っただけで、お花に対しての愛情がすぐに分かりました。

一番人気!一重咲きのラナンキュラス「ラックス」

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今では当たり前のように販売されている、人気の一重咲きのラナンキュラス「ラックス」は6~7年前に栽培を始めたそうで、初め見たときはあまりの素敵さに「なんだこれ!?」と衝撃を受けたとお話しされていました。
ただ、それと同時にどうやって売ったらいいのだろうとも思ったそうです。
初めは、安い価格で長さも短くしなかなか価値が付けられなかったようです。
今では考えられません。

1月中旬になると私たちもこのラックスの出荷が待ち遠しくてたまりません。
スプレー咲きになっているのですが次から次へと花が咲いてくれます。
飾る場所にもよりますが、1カ月以上楽しめることも。

越冬の「トルコキキョウ」

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こちらはの赤ちゃんのトルコキキョウ。
9月に種まきをして今このくらいの大きさ。
寒さに弱いので温かいハウスで大事にされていました。
こちらの花たちは6月に収穫するそうです。
秋に種を巻いて冬を超えて春になってから収穫することを「越冬」と呼ぶのですが、やはり栽培するのにリスクがあり冬を超えられず半分くらいがダメになることもあったそうです。
それでも越冬したトルコキキョウは土の中で長いこと養分を貯めることができるので肥料の力ではなく自分の養分できれいに大きな花を咲かせるのだそうです。
大坂さんのトルコキキョウはバリっとしていて大きくてキレイなんです。

そういえば、大坂さんのトルコを自宅で飾っていたときに、水に入れながらそのままドライになっていたことがあります。
トルコは茎に水分を多く含んでいるので水に差しながらのドライは難しいのですが、驚きの出来事でした。

一番大変なこと…

「一番大変な作業はなんですか」と聞いたらやっぱり「雪掻き」。
今年は例年にない程の豪雪で、お正月の頃はハウスが雪に埋まってしまってどこにあるかわからなくなってしまうほどだったそうです。
ハウスまでたどり着くことも出来ずただひたすら雪を掻いたと言っていました。
どこの地域でもそうですが、その土地の気候と付き合いながら日々花と向き合っている農家さんは尊敬しかありません。

大坂さんの花作り

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写真でもわかる通り、大坂さんのラナンキュラスは見たことないくらい、珍しい品種が多いです。
このような品種はやはり栽培するのが難しいのだそう。
なぜあえてこのような環境の中、難しい品種をつくるのですか、と聞いたところ、
「お花がきれいだと、作っていて楽しいじゃないですか」と笑顔でお話ししてくれました。その笑顔がとても印象的で、あぁ、この人だからこんなキレイなお花が作れるんだなぁと心から感じました。

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今までは、「お客さんがこんな花を望んでいる」「花の曲がりはダメ」「葉の虫食いもダメ」など消費者目線でお花を購入することが多かったように思います。
でもこれからは「こんなに愛情を持ちながらお花を栽培している。その花農家さんがおすすめする花を販売する。」を目標に、情報を発信しながら、花農家さん主体でお花を販売していかなければいけないな、と強く思いました。


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