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難病の方専門の就労移行支援事業所「atGPジョブトレお茶の水」で見学会を開催しました

こんにちは。ゼネラルパートナーズです。

昨年、ゼネラルパートナーズが運営する難病の方専門の就労移行支援事業所「atGPジョブトレお茶の水」で、企業様向けの見学会を開催しました。

司会進行は、お茶の水の施設長 塩島隆永です。見学会では「難病をもってはたらくとは」をテーマにお茶の水の利用者、難病当事者としてゼネラルパートナーズで働く社員の事例などをお伝えしました。

難病とは


難病の定義は発病の原因が不明確、治療が確立されていない、稀少で長期療養が必要な疾病を指します。研究されているものだけでも500種類以上あり、国が指定難病と定めているのは338疾病あります。

実は難病については、障害者雇用のような雇用義務制度がなく制度のはざまにより就職に困難を抱えているという現状があります。というのも、障害者雇用の対象と認められるのは障害者手帳を持った方なのですが、難病の方で障害者手帳をとる条件に当てはまる方はごくわずかなためです。そのため難病の方が就労するには多くの壁があるのが現状です。

利用者ふたりが自身の症状や“働くこと”について発表

お茶の水の難病コースに通所するおふたりが、現在の症状や難病と診断されるまで、働くうえでの配慮事項など、自身の難病についてお話ししてくれました。

①利用者Oさん(線維筋痛症)

Oさんは、大学卒業後、一般企業に就職し将来は飲食店を開業したいという夢に向けて、自宅のすし店で有意義な時間を過ごしていました。始めは関節の痛みや日常的な倦怠感の症状がありました。その後、激しい手首の痛みや全身の倦怠感の症状が悪化。ある日、全身の痛み、動けないほどの倦怠感があり難病の線維筋痛症と指定されました。

線維筋痛症モザイク

線維筋痛症は、指定難病でないため医療費助成の対象外となり医療費が高額になるそうです。

なぜ、Oさんは働き続けたいのか
①人の為になる事をしたいという思いの実現のため
②自分の存在価値を生み出していく場所として
③家計を賄っていく場所として
これらを実現させるために働き続けたいと話してくれました。

また、手先や手首、体のしびれなど難病の症状により、就業するうえでお願いしたいこととして
①症状改善のため定期的な通院の際に配慮。(指定休暇や早退などの対応)②作業時に症状が発生した場合はお手伝いや小休止
などの配慮をあげました。

②利用者Tさん(クローン病)

Tさんは、就職先の健康診断で再検査→即入院となり、さまざまな検査を受けた結果クローン病と診断。

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診断直後は、治療法があわず体調が悪化。仕事上のストレス対処法もうまくいかず体調が悪化してしまいました。現在は、服薬でと治療で寛解状態にあり、症状は安定して治療は継続している状態です。
※寛解状態とは、症状は安定しており治療は継続している状態のこと。

なぜ、Tさんは働き続けたいのか
前職時にコミュニケーション能力と協調性の大切さを学び、仕事に充実感を感じることができた。そのため、充実感のある仕事をしたい、協調性を大切にしコミュニケーションを活かした仕事がしたいと考えているそうです。

治療や服用による対処のほかに、体調を安定させるためにしていることとしては、食事面、適度の運動、仕事上でストレスをためないように注意しています。

働くうえでの配慮としては
①平日に治療のためのお休みをいただきたい
②予期せず症状が出てしまったら数日お休みをいただく場合もある。そのために基本である報連相をしっかりとり、職場に合わせて、自分の仕事をオープンにする
といったことを心掛けています。

ゼネラルパートナーズで働く社員ふたりの働き方の事例を紹介

お茶の水の難病コースに通所するおふたりの発表の後、現在ゼネラルパートナーズで働く難病当事者社員ふたりが自身の事例を紹介してくれました。

①「atGPジョブトレ秋葉原」で副施設長をつとめる森一彦(クローン病)

「atGPジョブトレ大手町」は、聴覚障害コースと発達障害コースを併設する就労移行支援事業所です。

森は、大手企業のグループ会社に勤務していた前職時に(45歳ごろ)、家族や仕事などいくつかのストレスが重なったことにより「クローン病」を発症しました。
※クローン病を発症時、ゼネラルパートナーズへの転職、病気と仕事の両立などを語った記事がtalentbookで公開中です。


森は、支援員として現在の職場の環境を「体調がすぐれないときに、弱さを開示しやすい」「障害/難病当事者の横のつながりがある」など、インクルーシブな職場になっていると話してくれました。ほかにも障害者雇用のこれからとして、現状の課題と難病者を雇用するメリットをお伝えしました。

②身体障害のある方の就職をサポートするキャリアプランナーとして働く、山根優花(潰瘍性大腸炎、特発性血小板減少性紫斑病)

山根は、高校3年生のときに「潰瘍性大腸炎」「特発性血小板減少性紫斑病」というふたつの難病を発症。
※ふたつの難病を発症した学生時代、就職活動やゼネラルパートナーズに入社した理由、現在の働き方などを語った記事をtalentbookで公開中です。

現在の働き方は、リモートワーク、フレックスなので、通院は土日とフレックスを活用、お手洗いはリモートワークが多いので行きやすいそうです。

リモートワークの特性上、自分発信でないと同僚に伝わらないため少しの体調不良や違和感があれば雑談チャットで伝えるようにしており、早めに伝える。無理はしないを大切にしています。

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最後に、お茶の水の難病コースに通所するおふたりと森、山根の座談会で見学会は終了しました。

お互いにちょっとした思いやりを持つことで就労できる方々が多くいると話す施設長の塩島。見学会は、定期的に開催していますので、参加してくださった方たちに少しでも今後の参考になれば幸いです。





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