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FFピクセルリマスターの魔法にがっかりした話

以前にFFピクセルリマスターのお話をさせて頂きましたが、今回はその「演出」、とりわけ「魔法の演出」という点についてお話させて頂きたく思います。

最近になってゲームは綺麗になってきました。
ゲーム機やパソコンの性能が上がり、表現できる幅がものすごく広がったので、それを使ってまるで実写を思わせるグラフィックになっています。

もちろんそれに応じて「演出」も綺麗で派手になっていき、私の目を楽しませてくれています。

第2話 魔法は「とっておき」のもの

楽しみだった魔法の演出

その昔、私はファミコンが大好きな少年でした。
アクションやRPGなど、それはもうテレビに食いつくように遊んだものです。

自分のキャラクターが自分の思うように動いたり、ボタン一つで剣を振ったり、炎の弾を出したり・・・。

それがもう楽しくて、時間が過ぎるのも忘れて遊んでいました。
その中でも炎や稲妻が発生する、「魔法のアニメ」を見るのが楽しみでした。

ピクセルリマスターにおいては・・・

大昔に遊んだファミコン版のFF1では魔法の演出はそれはもう小さいものでしかなく、別の魔法を使っても同じ形で色が変わった程度のものでした。

使える容量の関係上、それは仕方なかったことではありますが、私にとってはすごく感動した覚えがあります。

それまでゲーム、それもRPGの演出としては画面が点滅するしかなかった魔法が、ファミコン版のFF1ではさまざまな色でキャラクターから放たれる。
それがすごく好きでたまらなかったのです。

令和の世になり発売されたFF1のピクセルリマスターを遊んだ時、魔法を使った時はそれと似たような感動でした。
「おお、こう描き直してきたのか・・・」と。

やっぱり「魔法を使った時の演出」はRPGでの花形であり、特別なことをしているという気分にさせてくれます。

しかし、ピクセルリマスターのFF2からFF5になると「魔法のアニメがすべて同じ」という衝撃的な事実に直面します。

これは、私にとってあまりにも大きなショックでした。
ほんの数秒、物によっては一瞬でしかない魔法の演出ですが、
ピクセルリマスターのFF1で見たのと同じなのです。

何故そんなことになったのか

考えられるのはやはり「制作コスト」の削減です。

新しいグラフィックを描くのは「費用」がかかります。
すでに作ったものを使えば、それは作業時間の短縮になり作る側としては大きなメリットになります。

しかし、もちろんそれは「作る側の都合」でしかなく、ゲームをする側にとっては「手抜き」と受け取られてしまいます。

ファミコンには、魔法やその他演出は「画面が点滅する」というぐらいしかなかったという時代がありました。

それは容量の不足であったり、まだそこまでゲームに対する演出が整ってなかったということもあります。

ゲーム機の性能が向上するのに伴って、表現の幅の広がり、その作業を手助けする技術も発達しています。

例えば、とあるソフトに「炎の燃えるアニメが欲しい」と指示すれば、いくつかのパターンの「炎」が表示されて、
1からグラフィックを書かなくてもほぼ完成します。

しかし、そのツールが無償(フリー)であるならばセキュリティの問題が、有償であれば費用が問題になります。
普通の企業であれば、それらが問題になり導入されないところもよくあります。
そのどちらも使えないのであれば、時間をかけて1から作るしかないわけです。

しかし、それが出来なかった、それでもやらなかった理由としては「コストをかけたくない」ということもあると思います。

コストを削減する会社

そもそも、ピクセルリマスターは「すでにあるゲームをリメイクしたもの」です。

1から設定を考える必要もなく、お手本となるグラフィックもあります。
その時点で「コストは削減されている」のです。

「リメイク」は、昔のゲームを快適に遊び直せるといった点で、素晴らしいものだと思っています。

ただ、それは単純な焼き直しでは意味がありません。
システムを調整し、グラフィック・音楽を綺麗にし、時には演出を変える必要があります。

FFピクセルリマスターはそれらを叶えてはいますが、「コスト削減の色が濃く出てしまっている」のが問題だと思っています。

一般企業のシステムにおいて「Excelのボタンを押したら花火が上がる」みたいな演出はまったく必要なく、無駄でしかありません。

ピクセルリマスターにおいてはそういった演出が非常に重要かつ中核になっているのに、
「魔法のアニメを共通化する」といったあまりにもわかりやすいコスト削減が見えてしまったのです。

真実は分かりませんが

今の世の中、様々なツールがあるので「火が燃えているアニメ」を以前より手間をかけずに作ることができます。
ですが、やはりそれはFFのピクセルリマスターにはふさわしくないものだとも思いますし、そんなことはしないでしょう。

それならば「大企業であるからの総合力」でカバーしてほしかったとは思いますが、
結果として「FF1から5までは魔法の演出が同じものが多い」ということになりました。

それが、

それぞれ違うものを当初から作ろうとしていたが、
開発期間がなくなって仕方なく同じアニメを使った。

のか

当初からアニメは共通のものを使う仕様だった。

のかは、知る由はありません。

ただ、どちらにしても「一瞬で消える魔法のアニメを作るコスト」を軽視しているのは確かだと思っています。

会社は存続しなくてはならない

企業は慈善事業ではありません。
「このゲームが売れなかったら倒産する」といったことはあってはいけません。
会社を存続させるために、必ず利益を出す必要があります。

その上で、少ない費用で大きな利益を得ることが、どこの会社でも重視されていると思います。
そのために開発コストを下げたいのは理解できます。

ですが、ゲーム開発において過度のコスト削減はふさわしくないと思っています。
それが大企業であればなおさらです。

「数秒で消える魔法のアニメぐらいで何を」と言われるかもしれませんが、やはりそれはRPGに置いて花形なのです。

色々書いてきましたが、結局のところ、
小さい頃に遊んだFFという思い出の作品の上で、
手抜きとも思われる使いまわしをしてほしくなかった・・・。

そんな思いでいっぱいです。

もちろん、同社のゲームもそうなのですが、色んな素晴らしい演出をしたゲームは星の数ほどあります。

願わくば、これからも開発者のこだわりを持った魔法の演出が見られますように・・・。

あぁ、FF5のピクセルリマスターで、火球が爆発するファイガが見たかったなぁ・・・。






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