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ゲームとは、ピクセルリマスターとは。

2022年に発売されました、
FF1から6までのピクセルリマスター。

昔からFFを楽しんできた私にとって、
色々と考えさせられてしまう作品シリーズとなりました。

数多くの違和感があったこのシリーズを元にして、
noteの場を借りて語らせて頂きたく思います。


第1話 バグは完全に潰すことはできません。でも・・・。

デバッグは大変な作業

ゲームに関わらずプログラムにはバグがつきものです。
プログラムを組んでいき、最後には確認作業としてテスト、デバッグ等が行われます。

テストが終わってから不具合が見つかるのもよくある話で、その場合はもう一度全体を見直し、バグを取り除くために必死に修正されると思います。

一度作ったものを変えるというのは大変な作業です。
もう固まったものを触ったがために、新しい不具合が発生するなんてことは当たり前に発生します。

チェックシートがあれば

ゲームではありませんが、私は過去に受け入れ検査と出荷試験を同じ職場で経験したことがあります。
出荷試験は一番大事な役割で、そこで不良を見逃せば社外に不具合品が出てしまい、大変な問題になります。

なので、出荷試験にはその業務と製品を正しく理解している人、が適任となります。

しかし、実際の現場において人員の不足等により「余裕を持って試験ができない」という現実もあります。
ですので、その時間を省くために「チェックシート」を作り、確認するべき項目を分かりやすくし、その時間を短縮します。

入って1年もしない私が出荷試験をこなせていたのは、チェックシートがあったからと言っても過言ではありません。

ゲームに対する出荷試験

ゲームを作る、という活動においてもデバッグ、テストプレイという「出荷試験」は行われると思います。
が、普通の製品に比べゲームは確認するべきポイントが遥かに多く、それを前もってリストアップするのは難しいでしょう。
テストする人の勘や経験則に頼っているところもあると思います。

という状況の中、「バグを見つける」といった作業において効果的なのは「まず発売し、遊んでもらった上で見つけてもらう」というものでしょう。
(「有料デバッグ」などと皮肉されることもありますね。)

開発にかかわっている人は数えられるほどですが、世の中には何万人というゲームのプレイヤーがいて、視点も遊び方も千差万別です。
様々なケースが必要になるテストとしては、これほど有効なものはないでしょう。

しかし、それは「不完全なものを発売する」といったことになりますので、往々にしてトラブルや不信の元になっています。

ゲームに対する様々なスケジュール

ゲーム開発に限りませんが、物を作るというのには当然スケジュールが存在します。

一つの製品・ゲームにおいて、作成する前後に、発売日の発表、量産の工程、運送の手配など、ゲームとは直接関係のないスケジュールも発生します。

ゲームは出来ただけではお金にならず、それを遊ぶ人へと届けて、初めてお金になるのです。
当たり前ですが、その工程は必要不可欠なものです。

発売してからアップデートするという策

ゲームもネットを通じてデータとして販売できるようになりましたので、量産や運送、店頭での販売といった工程はなくなりました。

かと言ってもゲームに関連した間接的なスケジュールは当然発生し、それに関連して人員の配置や作業も発生します。

バグが見つかり、それを修正するために作業の追加や修正などが発生すれば、その全てを見直さなくてはなりませんし、発売日も遅れることになるでしょう。

発売日の遅延により、購入しようとしていた人の意欲を減らすことにもなりかねません。

ですので、
軽微なバグが見つかってもただちに修正は行わず、
とりあえず発売してからスケジュールを組みなおし、アップデートで対応していく。
としたほうが、スムーズに事が進む・・・といったことは現実的にはありえるのではないでしょうか。

でも、購入者は納得できない

しかし、前述の通り、それにはゲームに対する不信とになってしまいます。

複雑なゲームから完全にバグを取り除くのは不可能ですし、スケジュールの関係上見逃さざるを得ないバグというのはあると思います。

ですが、それも「度が過ぎれば」不信感にしかなりません。

ピクセルリマスターで遭遇したバグ

FFピクセルリマスターにおいて感じたことは
デバッグの甘さにもほどがある
といったことでした。

幸運にも、遊んでいる中でゲームの進行が止まるほどの致命的なバグには1回しか遭遇したことがありませんでした。

それは、
「ゾンビの特性を持つ敵に復活魔法をかけたら戦闘が止まってしまった」
というものでした。

FC版のFF2から、「敵に回復魔法をかけられる」という仕様が追加されました。
一見、敵に塩を送るようなメリットのない行為ですが、「アンデッドに回復魔法をかけてダメージを与える」という結果が用意されています。

その仕様により「味方にかけるはずの有利な魔法を敵に対して使った場合、想定通りの動きになるのか?」というテストケースが生まれ、それに対して検証が行われます。

そのテストケースの内容に対して漏れがあったのか、甘さがあったのか、結果としてバグが残ったまま発売された・・・ということになりました。

バグはそんなに甘くない

公表されていようといまいと、バグはバグでしかありません

FF1から徐々に複雑な仕様になっていきますが、作が進むたびに、
公表されるバグが増えていきました。

プログラム量が2倍になれば、バグの数は2乗に増える。

出典は不明

そんな言葉を聞いたことがあります。
シリーズが進むたびに増えていたバグは、それを証明しているのではないでしょうか。

プログラムを正しく組んでいけば、バグは発生しません。
でも、そんなものは空想でしかありません。

人はミスをしますし、途中で担当者が変わることがあります。
ほんのささいな理由で変更を指示されることだってあります。

そんな中、正常心を保ちつつ間違いなくプログラムを組める人など、おりはしません。

だからこそ、テストする

だから、別の人が別の視点で、正しい動作を確認し保証する。
それがデバッグであり、テストなのです。

しかし、プログラムを書く動作が減ってきたとはいえ、最近のゲームは複雑になってきています。
それらを正しく判断し、テストケースを考えながらデバッグを行うことが難しいのもまた事実です。

だからといって、デバッグが甘いというのは話が違います。
購入者に対して不具合なく遊んでもらう。
それを思えば、デバッグに対する姿勢もまた変わってくると思います。

しかし・・・。

残念ですが・・・

FFのピクセルリマスターにおいては、デバッグが甘かったのではないか、と思わざるを得ません。

特に、いつでも中断できる機能が追加されましたが、それに対する致命的なバグが多かったように思います。

追加された新しい機能だからこそ、色んなケースを想定し、正常に動作するかどうかのテスト、デバッグを行う。

そういうことをしてほしかったのですが、公表されているものを見ていると、バグが存在することを軽視していたのではないか・・・と疑ってしまいます。

最後に・・・。

バグの事実は分かっても、真実を知りうることは関わった人しかできません。

工程の厳しさ、様々なトラブル、開発とは関係のない要因。
バグが見つかり、前の工程に戻す必要があったとしても、無理と言っていいほど難しい状況。
どうしようもなかったこともあるでしょう。

いっぱしのゲーマーでしかなく、ゲーム開発とも縁のない私が、
それらを強く指摘することはできません。

ただ、楽しみにしながら購入し、
画面で表示されたFFのピクセルリマスター。

それがこんな状況であることが、寂しくてならなかったのです。


私にとって、ピクセルリマスターのバグに対する考えを述べさせて頂きました。

書きたいことはまだまだあるのですが、
ここでいったん筆を置き、次回へ続けさせて頂きたく思います。

長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。




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