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【ブックカバーチャレンジ:6/7】花よりも花の如く


ブックカバーチャレンジ、6回目(1回目2回目3回目4回目5回目

「花よりも花の如く」作:成田美名子

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能楽師が主人公の漫画である。
同じ作者の作品で「NATURAL」というバスケ漫画があるが、この作品に出てくる西門(サイモン、名前である。)の兄・憲人(ケント)を主人公にした作品。憲人と西門の母は能楽師の家系で、父は神職でかつ弓道家の家系である(ただし、父は神職ではなく先生である。)憲人は、母方の祖父(能楽師)の弟子となって能楽師の道を行き、西門は、幼少時に伯父(父の兄)の家に養子となり、神職の家系を継ぐことになっている。

1巻ではまだ、憲人は通いの弟子をしているが、やがて独立する。そのなかで、公演に走り回ったり、海外公演をしたり、ドラマに出たり、恋をしたり。作品が進むうちに、叔父(母の弟、能楽師)が襲名したり、道成寺を披くことになったりと、能楽師らしいエピソードも出てくる。これを読むと、能楽師の生活が少しのぞける。小劇場の中にいた私としては、あまりにも違う世界で驚くことばかりである。

この作品では、憲人が様々な作品とかかわっていく。その作品ごとに悩み、演者としてどう演じるか考え、演じる”自分”を見つめていく。能楽の演目もたくさん出てくるし、能楽ならではの分類(シテ、ワキ、地謡など)もきちんと説明されているため、能楽入門にはいい漫画だ。能楽を見に行きたくなる。

現在、19巻まで刊行中。


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