見出し画像

ベランダが呼ぶ声が聞こえる(禁煙1日目)

禁煙を思い立ったのは、職場からの帰り道、ラジオから流れてきたのはMr. ChildrenのHERO。急に胸が苦しくなった。ふと、誰かのHEROになれているか、娘にとってのHEROになれているか、不安になった。かっこ悪くてもいい、1人でもいい、誰かがあこがれるHEROになりたいと、小さいころ、漠然と思っていた。

今、胸を張って、自分のことをカッコいいと言えるかといえば、答えはNOだ。何度も禁煙に失敗した。気づくと、コンビニでお菓子を買っている。おつまみ片手に、毎晩のように酒をあおっている。「世の中をよくしたい」「環境を守りたい」「サポートする」なんてきれいごとを言いながら、一番激しい戦場には立っていない。

俺、カッコいいか?娘は将来、俺みたいな人と結婚したいと思うだろうか?こんな大人になりたいなんて思ってくれる人がいるか?全部NOだ。嗚咽が漏れていた。変わりたいと思った。小さいことかもしれない。でも、まず、自分にとっての心の弱さの象徴「度重なる禁煙の失敗」を克服する。

禁煙初日、娘の保育園の登園を終え、ベランダに目が向かう。キーボードを打つ手を止め、ベランダに目が向かう。仕事でイラっとして、ベランダに目が向かう。昼ご飯後に、ベランダに目が向かう。1時間の電話会議を終えて、ベランダに目が向かう。

喫煙が生活リズムに染み付いてる。1日5回。朝8時半、11時、13時、15時、16時半。ベランダが俺を呼んでいる。気持ちが揺らぐ。パソコンに向かい、メールを1本書く。とにかく1本書く。手を動かせ。意識をずらす。煙草を吸いたい気持ちよ、忘れろ!腕立て伏せ、スクワット、シャドーボクシング…とにかく意識をずらせ!

今日も今日とて16時、娘を保育園に迎えに行き、ゲームセット。初日は俺の勝ち。今日から始まる、禁煙日記。娘を寝かせた後に飛び出したジョギング。いつもより体が軽い。それだけでいい。自分の体が変わったことがわかるから。

#禁煙

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?