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第43試合「警告」

7月25日、新日本プロレスが東京ドームで興行を行った。
東京ドームと言えば、1月初頭の風物詩であったが、今年は夏にも行う事になった。願わくば横浜スタジアム興行をして欲しかったが。

社会情勢の関係で試合は6試合となったが、各試合見応えがあった。
特にメインの鷹木信吾vs棚橋弘至はアクシデントで決まったのにもかかわらず、しっかり試合を盛り上げてくれた。
しかし、その後の対応で一気に熱が冷めてしまった。
それはEVILの介入・・・ではない。

介入後、EVILがバックステージで言葉を発したが、それが不適切な発言だったのだ。正直、グレーゾーンではあるのだが。
昔だったら何事もなくスルーされていただろうが、このご時世何が引っかかるか分からない。
更に問題視されたのが、この発言を新日本プロレス側が削除した点である。
その興行は新日本プロレスワールドで放送されていただけでなく、BS朝日やYouTubeでも放送されていた。つまりこの発言を生で見ていたファンも多かったはずだ。
しかしながら、会社側は初めから無かった様に削除して、その後の会見でも触れず。ファンも無かったかの様に次の興行や高橋ヒロムの復帰を祝った。

実は今年1月のドーム興行後、後藤洋央紀が解説席から乱入した件で会社側から注意を受けていたが、同じ事をジェイ・ホワイトがやっても何も注意が無かった。
これに対してファンは
「ジェイだから仕方ない」「会社はジェイの下僕になった」
と、あたかもギミックだからOKと言う発言が多かった。
私はこの時点で会社が説明義務を怠っていると同時に、ファンもリアルなファンタジーで終わらせる事象ではないと言ってきた。
そして今回も同じ動き・・・。まぁ、私もそこまで新日本プロレスを追っかけている訳ではないから言う資格はないのだが。
そう思った矢先、こんな動画が上がって来た。

これは私がプロレスに戻って来てからお世話になっているくろいコタツ氏の動画である。
内容はEVILの発言に対してと言うより、世界展開を目指している新日本プロレスが今回の件を揉み消し、その後の会見でも謝罪をしなかった事に対する嘆願である。
私もこれに対しては同意見である。
本来だったら言ったEVILも悪いが、選手の発言に対して会社側が謝罪する事象である。
以前、NOAHでも武藤敬司が発言が不適切だった事象が有った。
その際はNOAHファンからも指摘があったし、プロレスリングNOAH側からもツイッター上だが謝罪が有った。
しかし、新日本プロレス株式会社は全ては無かった事だとしたのだ。

結局、今回もSNS上では余り話題に上らず、何時もの様に忘れ去られる事になる。今までそうだったし、今年の件ももう忘れているだろう。
だが、それは日本だからである。これからは世界に挑戦するのだ。
世界は日本ほど寛大ではない。ちょっとした発言でもナーバスになるのだ。
世界のプロレスは日本みたいにアングラではない。
もっと身近で家族単位で観に来る程のメジャーな世界なのだ。
その証拠にWWEではSNS上の発言・放映時のコメントなど、あらゆる点で会社がチェックしている。それとは別にスーパースターに対してもしっかりとしたSNSモラルを教育していると聞いている。
それぐらい行ってもなお神経を尖らせる位、不適切発言は危険なものと認識しているのだ。
新日本のプロレスは世界的にも認知されている。だが、発言の為に積み重ねてきた信頼を簡単に失っては元も子もない。
ファンも別に世界的に失落しても、日本で興行が観られればいいと思っているのだろうか?自分だけの新日本であればいいのだろうか?

私は新日本プロレスのファンじゃない。だからお前が言うなと思うだろう。
だが、日本プロレス界の盟主を謳って、代表として世界に挑戦するんだろ?
その先駆けが失敗したら、日本プロレス全てに烙印が押されるのだ。
新日本ファンは自分が世界に挑戦しろと言ってないからどうでもいいのか?
自分が推している新日本プロレス、そして日本プロレス界が馬鹿にされるんだぞ。
そして、他団体のファンもこれは他山の石ではない。いずれは自分の推し団体にも降りかかる可能性がある事だ。

私のブログも最近は団体の推し選手や興行の話が少なくなっていた。
正直、ブログを見ている人にも不快な思いをさせている。
これでは只の如何わしい自己啓発セミナーと変わらない。
しかし、この件はなあなあで終わらせて良いモノではなくなっている。
我々も他人事ではなく引き締めないといけない事である。

奇しくも、ドーム興行のメインを行う予定だった飯伏幸太の代役は、2000年の暗黒期を救ってくれた棚橋弘至だった。
これは何かの暗示なのか。警告なのか。もう一度、考え直す時期なのかもしれない。

(敬称略)

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