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ワークマンに習う経営学 #15


ワークマンの価格戦略

  1. 売価を決める

  2. 粗利率を固定で35%に設定しているので、売価から差し引き、調達価格を計算する

  3. 製造コストを価格に転嫁しない

  4. 逆に原価に余裕がある場合は機能を増やす

  5. アパレルのように価格を釣り上げない。一見美味しい話を逃しているように思えるが、不景気になれば消費者は見栄の購入を避ける。そうなるとセールで売るしかなくなり、価格に対する信頼感が失われ、消費者はバーゲンでしか買わなくなる

ブルーオーシャン市場の拡大戦略

そもそも、ワークマンの土俵はブルーオーシャン市場であった。そして、ワークマンは小さな青い海を深いものにしていく戦略をとっていたが、そこには"底"があった。ゆえに彼らは海域を広くとる拡大戦略をとった。
拡大戦略全体を100%とすると、以下の三つの戦略が成果を生んだ。

60%:製品戦略

  • 自社の強みを見つける。ワークマンの強みは「高品質・低価格」なので、PBについてそこを極める

  • 進出市場を選定する。自社の土俵の隣を狙う

  • 製品を良くするだけでは、売上は3-4%しか上がらない。さらなるブレイクスルーのために異常値の検出、つまり思わぬ売れ方をした商品を見つけ、それを異常ではなく当たり前にする

30%:アンバサダーマーケティング戦略

  • ワークマン好きな一般人をアンバサダーに任命し、彼らにブログなどで製品の良い点・悪い点を発信してもらう

  • アンバサダーとワークマンは、Win-Winの関係でありつつ、共に成長する関係である

10%:空間戦略

  • ワークマンプラスの出店が決まった時に、商品の配置や魅せ方などのデザインを重視した

「しない経営」

  • ノルマや短期目標は定めない:ノルマや短期目標は、経営者の焦りの表れである

  • 期限は定めない:期限に追われ、外部の人間に雇ってもすぐに戦力にならなかったり、コストが高くなるケースがある

  • 商品単価は動かさない:価格を安くすると、価格への信頼感がなくなる。顧客はバーゲンでしか買わなくなる。製品の販売期間が短くなって悪循環に陥ってしまう

  • 小売業がよく行うOne to Oneマーケティングはしない:ポイントカードのように顧客を個人情報で管理しようとするとコストがかかる。個人情報漏洩リスク、ポイントカードの対価である還元によって薄利になってしまう、そもそもの発行リスクなどがある

  • Amazonに負けない:配送費をかけず、店舗でリピーターを勝ち取る

おまけ

  • ポーターが言った。「戦略とは、捨てること」

  • 市場を先読みするときは、「PEST分析で網羅的に行う」、もしくは「アイデアを壁打ちする」

  • 社員はノルマではなく、良心で行動する。エピソードとして、経営者はBO市場の拡大戦略が本気であることを示すために、先に賃上げを行った。そして、社員の自発的な貢献を促した

  • オーセンティック・リーダーシップ:倫理観を重視し、自分はどういう人間か、大事にしている価値観は何か、といった自分らしさに根差したリーダーシップのこと



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