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#21 ブラックパンサー(2018)

アフリカの秘境にありながら、世界の誰もが創造出来ないような最新テクノロジーをもつ<超文明国ワカンダ>。
ここには世界を変えてしまうほどのパワーを持つ鉱石<ヴィブラニウム>が存在する……。
突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラは、この国の“秘密”を守る使命を背負うことになる。ヴィブラニウムが悪の手に奪われると、人類に未来はない。漆黒の戦闘スーツをまとい、ブラックパンサーとして戦うティ・チャラは、祖国を、そして世界を守ることができるのか?


実はMCU作品をリアルタイムで追ったのはシビル・ウォーまででしばらく止まっていた。
映画の問題点はさておき、長年見てきた人物の関係が壊れていく様を目の当たりにして、疲れ燃え尽きたからだ。
(そこまで感情移入し消耗させたシビル・ウォーは自分の中ではヒーロー作品の傑作)

重い腰を上げ、エンドゲーム上映まで間に合わせてくれたきっかけは、ヒーロー映画の歴史を変えた、ブラックパンサー2019年アカデミー作品賞ノミネートというニュースだった。
監督・主要スタッフ・キャストがほぼアフリカ系、興行収入はアベンジャーズを越え、アメリカで社会現象になったエンタメ最先端の意欲作をここにきて観たくなったという思い出がある。

本作では資源が豊富であるがゆえに搾取され続けたアフリカがもし植民地になってなかったらのifをワカンダを通して描くSFであり、当時分断を進めようとしたトランプ大統領に対しての共栄路線を描こうとしている。

そして、MCUの中でも消えない監督の一貫とした作家性も見られる。

新たな王になってどうあるべきか悩む主人公ティ・チャラの裏表で
「超技術を持ちながら自分たちだけ守って、他を助けない国はどうなのか?」
違う道で黒人の社会的地位を上げようとする大義があり、黒人の怒りを代弁するアンチヒーローのキルモンガーにも惹かれる。
小細工なしでお互いぶつかる所がまた良い。

最後に、チャドウィック・ボーズマンは命を削って、役を通して世界中の人々に希望を与えた。
多く語っても、月並みな言葉の称賛しか出てこないのが悔しい。
もっと見たかった。
ご冥福をお祈りします。


商品紹介
こちらは海外サイトBLUFANSから出たスチールブック。レンチキュラーでティ・チャラからブラックパンサーに変わります。
悲報を聞き衝動買いしました...。

最後2枚は日本でも発売されたスチールブック。
どちらも物凄くカッコいい。

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