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#8 ありふれた事件(1992)

平然と人を殺し、盗みを働き女を犯す冷酷な男ベン。殺人を職業とする生き様をドキュメタリーにしようと3人の映画クルーが密着撮影を続けていた。罪を重ねる一方で哲学を語り詩を詠む、そのカリスマ性に魅了されたクルーは記録する側から共謀者へと一線を踏み越えて狂気に走る...

人殺し版情熱大陸。

悔しいけど、容赦ない映像と撮影手法で記憶に残る映画だった。
ベルギー映画史上最も議論がわかれる映画だそうで、先に作られた有名な殺人鬼映画「ヘンリー」のようなものを想像すると全く違う。悪びれもなくペラペラ語って空虚感溢れる。悲惨な映像を流して何を伝えたいんだろう?

調べてみると映画は人々のプライバシーを踏みにじるベルギーの報道番組にヒントを得たようで、犯罪者とメディアはある種共犯関係で「犯罪を覗き見したい」「数字がとれる」欲のせいで犯人と報道は過熱化する「劇場型犯罪」を皮肉ってるそうだ。日本だと少年A、毒カレー事件が該当しなるほどと思った。迷惑YouTuber、ジョーカーもこの類いかもしれない。
世界中でありふれた事件だ。

それにしても宣伝ひどい。
タランティーノ、デ・パルマも絶賛って書いてればそういうの期待するじゃん。それで中盤の胸くそ悪いシーンで「お前こういうの好きなんだろ。もっと過激にするよ」ってカウンターパンチ食らって暴力いけないすいませんでしたってなる。視聴者のモラルが試される。
映画の知識があれば、ここはあの映画のオマージュだと楽しんで見れるそうだ


ちなみにこの映画はハンディカメラを用いた低予算のモニュメンタリー映画。「ブレアウィッチプロジェクト」「パラノーマルアクティビティ」「クローバーフィールド」最近の有名所だと「クロニクル」がこの形式。

商品紹介
内容が内容なのか公開から20年、DVDどころかVHSにもなっていなかったらしい。発売してくれたアルバトロスさんに感謝。

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