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音楽映画としてもレベル高い!グリーンブック

体調は完全回復。おかげさまで休めた。明日から仕事頑張る。

週末なので何か一本観とくかと、配信にて「グリーンブック」(2018年アメリカ、ピーター・ファレリー監督)を鑑賞。さすがアカデミー賞受賞作、いやーすごく素晴らしい映画、観て良かった。実話に基づく物語。公民権運動真っただ中の1962年のアメリカで、黒人のピアニストのドン・シャーリーが人種差別が激しいアメリカ最南部をツアーする。主人公はそのツアーマネージャーを務めるイタリア移民系白人のトニー・ヴァレロンガ。

レストランに黒人は入れない、一般のトイレに黒人は入れない、夜中に黒人は外出できないなどの理不尽でクソなジム・クロウ法により、ツアーは様々な困難と壁にぶつかる。ちなみに映画のタイトル「グリーンブック」とは、黒人の宿泊が許されているホテルが掲載されているガイドブックのこと。

主人公ヴァレロンガは、NYのクラブで用心棒をつとめたりするやばい界隈にも関わる底辺の白人労働者。一方、南部の黒人家庭で育ちながらも、ずば抜けた才能と自らの努力で白人社会でも認められる地位までストイックに上り詰めたドン・シャーリーは、リトル・リチャードもチャビー・チェッカーもサム・クックも知らず、フライドチキンも食べたことのない、黒人文化からはみ出したアフロ・アメリカン。対照的な二人は、想像を超えるいくつものトラブルを乗り越えていくことで、信頼関係を築き、お互いの理解を深めていく。その変化を演じる二人の俳優の演技がこれまた感情移入しやすくて、ほんと良い映画。最後までのシナリオも巧み。

そしてなにより、想像以上に、音楽映画としてレベルが高いなと思った。ジャズなどのアメリカ黒人音楽好きは必見と言ってもいいかなと。演奏シーンの音楽についてはどこまでが再現か実際の音源かは分からないが、観ていてぜったい引き込まれる、なかなかのテンション。その他映画で使われている音楽も絶妙。アフロ・アメリカン音楽家としてのドン・シャーリーの追い込まれて病んでいる描写は、いろいろあるその辺りを描いた名作映画とも重なります。

ドン・シャーリーの音源、サブスクでちらっと聴いたら、クラシックとジャズを行き来した感じで、個人的な今の関心にもマッチしている。いろいろ掘ってみたい。

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