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こもりびと

朝と夕方はだいぶ寒くなって冬突入という感じですね。今日は家族で近場を散歩したり、密にならないよう短時間の買い物をしたり。欲しかった本も何冊か買えた。

録画していた「こもりびと」ようやく観た。NHKスペシャルの枠で先日の22日に放映されたドラマ。力作だった。特に主演の松山ケンイチの演技、目の動きとかの表情のつくりかたが素晴らしくてほんとに圧倒された。すごい役者。北香那さんの全力の演技もグッと来た。

全国に100万人以上いる「ひきこもり」。そのうち61万人が中高年だという。「8050(ハチマルゴーマル)問題」というここ何年かで耳にすることが多くなっている言葉。年老いた親(80代)が中高年のひきこもり(50代)の子供の面倒を見るという深刻な現状。松山演じる主人公も10年間実家の自室に閉じこもっている40歳という設定。ドラマ内では「ひきこもり親子の会」というリアルな活動も紹介されている。

社会の理不尽なルールや空気。そこに適応できない人間は、自己責任として、生きている価値がないと切り捨てられる。適応できているほう、できていないほう、どちらが異常なのか。紙一重というか、自分だってどっちにいくかは分からない。でも、かろうじて適応しているほうが、切り捨てられた側の苦しみを想像できるのかというと、正直言えばこれは実際には簡単ではないところもある。今作のようなものを通して知っていくことが大事だと、一般論っぽくて申し訳ないがあらためて思った。

ザ・ブルーハーツの楽曲がたくさん登場して、このドラマの重要な軸となっている。もう30年以上前からほんとにクソほど聴いて耳に焼き付いている彼らの曲。役者の熱演に合わせて流れる音楽を聴きながら、あらためてその力を認識した。
「お前なんかどっちにしろ/いてもいなくても同じ/そんな事言う世界なら/ボクはケリを入れてやるよ/痛みは初めのうちだけ/慣れてしまえば大丈夫/そんな事言えるあなたはヒットラーにもなれるだろう」(ロクデナシ 作詞・作曲 真島昌利)。そうそうそう、そういうことなんすよ。ガツンときた。

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