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中山うり「11」

ここ数日の猛暑、そしてあいも変わらずの、息が詰まるコロナ社会。皆さんいかがお過ごしでしょうか?こちらはなんとか元気です。旅行も、帰省も、イベントも、飲み歩きもほぼ封印された夏。思った以上に心身にストレスがたまっているのでは?

休日の自宅では任天堂switch やお絵かきや絵本読みや宿題手伝いなどを子供とやりながら、時間を見つけては本を読み、配信で映画を観て、音楽を聴いて、スーパーに買い出し行って、夜は夕飯食べて酒飲んで寝るという感じ。あれ、外に飲みに行かない以外、コロナ以前と大して変わらんか?笑

画像は、このコロナの夏によく聴いていた一枚ということで、この先ずっと記憶に残るかなと思う作品。中山うり「11」。今年6月に発売された新譜。これと、バド・パウエル の「ザ・シーン・チェンジズ」を何故かほんとにこの夏はめちゃくちゃ聴いた。

ブルーハーツの後期名曲で大好きな「月の爆撃機」のカヴァーが入っているのと、「自分のルーツはサッチモ(ルイ・アームストロング)」と本人が語るレコードコレクターズ8月号でのインタビューが印象に残り、CD購入。中山うり、名前ももちろん聞いたことはあるが、音楽は初めて聴く。

ブルハのオリジナルとはガラッと雰囲気が違うアメリカーナなサウンドで染みる6曲目「月の爆撃機」も実に良い。そしてそれ以上に中山のオリジナルが素晴らしくて、かなりはまる。

2曲目「風邪薬」、中盤からのブリティッシュ・トラッド風の盛り上げ方に耳を奪われる。4曲目「大佐」、バンジョーとミュート・トランペットがもろにアメリカ戦前ジャズ風であり、曲調は戦前名曲「セント・ジェームス病院」と「ミニー・ザ・ムーチャー」と似てる。さすが、サッチモがルーツという発言に偽りなし。

アルバムのクライマックスは、9曲〜10曲目の流れだと思う。「窓際のトランペット」(9曲目)最終盤の中山が吹く凛としたトランペットで胸を打たれたあと、絶妙なタイミングで切なく軽やかに鳴り出すピアノ、そして琴線に触れまくる旋律を柔らかく奏でるヴァイオリン、中山の朗々とした歌が絡む「僕じゃない」。これはもう泣ける。人が何かを乗り越え、「成長するってこと」をまっすぐに歌っている。

コロナの状況もあり難しいけど、いろんな人のライブを聴きたい。空気を震わせる音楽をリアルに感じたい。これ聴くたびほんとそう思う。

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