見出し画像

【コーヒー】HORIGUCHI COFFEE Otemachi One スペシャリティコーヒーのパイオニアが描く未来

堀口俊英さん

 堀口珈琲の創業者、堀口俊英さんは日本におけるスペシャリティコーヒーのパイオニア、第一人者として著名な方です。コーヒーに携わる方ならご存じかと思います。
 1990年、千歳船橋の店舗から営業を開始しました。1997年にはコーヒーに関する著書を出版し、その後10冊執筆します。。2000年から10年間は生産者とのパートナーシップ構築に尽力し、LCF(Leading Coffee Family)という共同購入グループを作りました。その間、開業支援、講演、コーヒー教室の開催など、コーヒー文化の普及に多大な貢献を果たします。
 2016年には社長をご退任され、東京農業大学で学問として化学的にコーヒーを研究します。そして、引退するまでの実業と学問としてのコーヒーの集大成として、THE STUDY OF COFFEEを出版します。
 私のバイブルです!

現在でも、SCAJでのご講演など、第一線でご活躍です。

Otemachi One店


 そんなコーヒー会の大御所、HORIGUCHI COFFEEは、前述の千歳船橋店を本店に、狛江店、上原店、上海店(海外)と、それぞれに異なる個性をもった店舗を展開しています。
 そして2022年、ビジネスの中心地大手町に、スペシャルティコーヒー・バール&ビーンズをオープンしました。
 この店でスペシャリティコーヒーをさらに一般化していく狙いがあるんじゃないかな、と想像しています。
 オフィスビルの店舗では、マニアよりもそうでない方の方が多数来店されます。客数も多いのでではないでしょうか。そこでどれだけスペシャリティコーヒーを広められるか、チャレンジしているように見えます。

再現性


独特なドリップ機器

 バリスタの方が良くおっしゃるのが再現性の難しさです。たくさんのお客様を迎えていこうとすると、ひとりでは対応しきれなくなりますが、抽出の再現性が担保できなくなってしまう。自分の味を目当てに来店するお客様も多い。どのようにして、再現性を担保するかが課題になります。
 ここで使用されているのが、写真にある独特なドリップ機器です。他に見たことがありません。一定の時間毎に、上部から雨のように滴下されます。
滴下のタイミングと注湯の量には意図が感じられ、また、独特のデザインは店舗全体の雰囲気に馴染んでおり、美観を構成する一部になっています。
 スペシャリティコーヒーとしては老舗中の老舗である、HORIGUCHI COFFEEがこのやり方で成功すれば、オートメーション化も界隈に浸透していくのではないでしょうか。美味しいコーヒーが多くの人に届いていくモメンタムをさらにリードしています。

ラインナップ

カウンターのショーケースに並んだラインナップ

 ブレンド1番から9番、季節のブレンド、シングルオリジン2種、デカフェ1種です。番号が若い方から浅煎り、9番に向かって深煎りになっていきます。風味は固定ですが、私は1番から9番がそれぞれコーヒーの「基準」だと思っています。「果実味とはこんな感じ」「ワイニーとはこんな風味」「これがコーヒーのボディ」といったように、味わい方を教えてくれているようです。
 どの番号でもクリアで、極端に振れておらずバランスを維持しています。保守的といえば保守的なのですが「これがHORIGUCHI COFFEEの守りたいもの」と勝手に解釈しています。スペシャリティコーヒーを多角的に極め、普及に努めてきた堀口さんのメッセージのように思えます。

スペシャリティコーヒーの未来

 マニアでもない普通の会社員が、スペシャリティコーヒーを日常の一部として楽しむ。コーヒーが文化となっている国のように、それが当たり前になっている世界を、Otemachi One店は目指しているんじゃないでしょうか。
 誰もがコーヒーを理解し、品質はそのままに、より多くの人にコーヒー文化を届けられる一つの提案となっています。
 HORIGUCHI COFFEEから、スペシャリティコーヒーがまた新たな段階に進んでいく未来を期待したいです。


コーヒーを楽しんだら、コーチングで未来を変えてみませんか


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?