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2023年慶應大学文学部入学試験小論文を解答してみた。

問題 :人間の創造性について、この文章(省略)をふまえて、あなたの考えを三二〇字以上四〇〇字以内で述べなさい。

課題文によれば、芸術の定義が再考されつつある。これは古典的な芸術からデュシャンの「泉」などのような「思考の創造」と呼ばれる革新的芸術に拡大していることを意味する。この外へ拡大させる推進力が「人間の創造性」なのである。新しいアイデアや視点を模索する精神的行為が既存の概念を打破するからである。

 この古典から革新の移行は芸術分野以外でも認められる。例えば、日本仏教における小乗仏教から大乗仏教への変遷である。小乗仏教は、釈迦仏の教えを厳密に守り、具体的な戒律や修行法に重点をおく教えであった。これは個々の修行者が自らの解脱を追求することが中心であった。これに対し、大乗仏教は、釈迦仏の教えを拡充し、慈悲の精神や一般大衆の救済を重視したのである。仏教を特定の修行者のためのものから、一般庶民に解放したのである。

 このように「人間の創造性」は新たな地平を切り開き未知なる外部領域へと私たちを誘う力を持つのである。

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https://tensakudo.com/2023/09/25/kou-hiromu/

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