さようならって。

なんだか、別れの季節ですね。なかなか慣れません。この空気には。

「また会いたいから、さようならは言わないよ。」

というのはあくまで理想の話で、ほとんどの場合、それ以上人生が重なり合うことはないでしょう。
自分にも相手にも、新生活や新たな出会いが待っています。
そこで一生懸命になっているうちに、気がつけば繋がりは途絶えてしまっています。
だからこそ、数少ない、関係が途絶えなかった友人との関係は尊いなと思いますし、より大切にしようと思えます。
 
一度途絶えた繋がりをもう一度繋ぎ直すのは難しいと思います。
時間の経過によって、自分も相手も、良くも悪くも、変化していることが多いです。
だけど、僕らの記憶の中の彼らは昔のままで。
変化した昔の友人を、別人とも言えるような今の友人を、そのまま受け入れるのは難しかったりします。

そんな事はとっくの昔に分かっていて、みんな頭では理解しているのでしょう。
でも、「これが最後なんて嫌だ」「もう少し時間を共有していたかった」などと言った想いから、さようならを避けます。
理解はできても、納得はできないこともあるのだと。

春の匂いは苦手です。
別れを強く認識させるから。
あの匂いがし始めると、「あぁ、もう戻れないんだ」と強く思わされます。
花粉混じりの春風が、マスク越しにそれを伝えに来ます。

花粉症の痒みが微かに出始めた最近、そんなことを思いながら、別れを惜しんでいます。


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