松本、本をめぐる旅
キヨミさんからのお誘い
白丸カフェの常連さんだったキヨミさんが、2月に松本へお引越ししてしまいました。彼女から、久しぶりに連絡が入りました。
「遊びに来ませんか」
キヨミさんプロデュースの、”松本本をめぐる旅”のはじまりです。
何度か松本へは行っていましたが、わたしが勝手に思っていたのは、マウンテンバイクとクラフトの街。草間彌生、小澤征爾のクラシックコンサート。それと、おいしいパン屋さん・・でしょうか。
ともあれ、本の街のイメージはありませんでした。どんな旅になるのでしょうか。わくわく
松本は本も食も充実
松本十帖本箱
待ち合わせたのは、松本十帖本箱。入るのにドキドキするような高級感のあるエントランス。
まずはランチ。レストランは、本だらけ。おもしろそうな料理の本で埋め尽くされています。このあとのことを考えて、軽めにランチ。松本に縁のある豚肉を使ったワンプレートでした。
さてさて、いよいよ本のコーナーへ。ランチをすると夕方まで時間制限なしで利用できます。入り口のところから魅力的な本がたくさんあって、なかなか先へ進めません。
「こども本箱」絵本のコーナーは、浴場のカランがそのまま。浴槽がボールプールになっています。本箱が迷路の壁となって配置されているのも、おもしろい。選書のセンスもめちゃくちゃいい。
「おとな本箱」写真集のコーナーも、お風呂場の浴槽が残ったつくり。大きな鏡があって、広々とした空間に感じます。
プライベート空間となる小部屋に区切られてるコーナーもあり、のんびり本を楽しめます。Wi-Fi環境もばっちりなので、仕事もできます。
ここに何時間も滞在。
本箱横にあるパンと雑貨のお店も、普段づかいできそうな小物や、ちょっとした土産物が、センス良く並んでました。
books電線と鳥
次はbooks電線と鳥。
松本十帖本箱の近くにあります。一見、カフェとは思えないたたずまい。看板がなければ(あっても)、お店なのかどうか不安に思うくらい、普通の一軒家です。
靴を脱いで階段を上がると、居間。普通に、ひとんちの居間です。周りに本棚が並んでいます。
店主の原山聡矢さんは、松本の本の仕掛け人的な方。新刊本書店も古書店も、本に関する情報をたくさんご存知です。
これを手に松本巡りをしたくなる、そんな地図も作っています。
お汁粉。
電線と鳥では、会話を中心にすごしたので、この一冊だけ。
街中のゲストハウス、はなれ
宿泊は、松本中心地に近い「はなれ」。
和室。ひとり一部屋でゆったり泊まれます。台所も使えるので、自炊もできます。徒歩数分でイオンモールもあるので、連泊して松本を楽しむのなら、好立地です。
この日は外国人カップルが料理してご飯を食べてました。
数分歩くと、本町通り。蔵の街並みが再現されていて、雰囲気がいいです。
効くところによると、松本市が景観の条件付きで補助金(景観形成事業補助金)を出しているそうです。
思えば10年ほど前は、この通りは閑散としていて、ちょっと寂しい雰囲気でした。しばらく来なかった間に景観もよくなって、カフェやお店が並んで、活気ある楽しい町並みになっています。
こういう景観は、自治体が主導でやらないと実現できないですよね。
すばらしいです。松本市。
アトリエCでビーガンディナー
ゲストハウスからも歩いていけるところにありました。もともとはロスアンジェルスで料理を作っていたそうです。こちらへきてビーガンのランチやベーグルなどをマーケットで販売しています。今回、めぐる先を考えてくれたキヨミさんが、ディナーを予約してくださいました。
動物性のものをいっさい使っていなくても、大満足な内容でした。長野で手に入る珍しい野菜がいろとりどりに入っていて、目でも楽しめる料理でした。
朝7時からオープンしてるカフェ
山々(さんさん)食堂
ゲストハウスはなれの目の前にあって、超便利。すぐ脇には、湧き水を汲めるスポットもあります。
朝7時からやってるお店です。素朴な温かさあふれる店内。
松本市立博物館とクリスマスマーケット
翌日は松本駅近くへ出て、松本市立博物館へ。
こちらはオープンしたての博物館。
すごくいいなと思ったのが、建物周辺のスペースの使い方です。
松本市はクラフトマーケットが有名で、作家さんも多いです。そんな方たちが出店しているのかな?、空いたスペースでテーブルを出して、手仕事でつくったものを販売していました。
こういった公共の空いたスペースを活用している自治体って、あまり見かけないですよね。
近くの広場ではクリスマスマーケットを開催していて、若い家族連れが多く、12月の閑散期でもにぎわいのあるところに魅力を感じました。
松本市立博物館では、松本万博を開催。いろんな視点から松本市を眺めた展示でした。明治時代に万博へ出展したものや、松本城を再現した模型、松本ならではの企業紹介などなど。長く松本に住んでいる方なら、ぐっとくる内容だったんじゃないでしょうか。
パン屋さん「サパンジ」
松本市立博物館から歩いていけるところに、本屋なのか?、パン屋なのか?といったパン屋さんがありました。
本棚に紛れてパンが売られています。絵本もたくさんあって、子どもと一緒でも楽しめそうです。
お店を訪ねたのが焼き上がりの時間よりもちょっと早かったようで、好みのパンを買えなかったのが心残りです。
KAJIYA
車で30分ほど移動して、四賀地区にあるKAJIYAへ。
四賀地区は広々とした場所で、移住者が増えている場所のようです。
KAJIYAは、古民家を改装したお店。母屋では、麻婆豆腐や餃子など、ビーガンでは珍しい中華系のお料理が食べられます。
敷地の裏へ回ると、美容院や、本と野菜を売るお店があります。
野菜と本を売るnoradoko
小高いところにあるので、眺めがよくて気持ちいいです。ここまで野菜を買いにくるひとがいるのか?って思うくらいの立地です。
ここでは新刊本を2冊、買いました。
別のところへキヨミさんたちをお送りして、お別れ。
本をテーマにした旅を終えて
今回の旅では松本の底力を感じました。
音楽祭やクラフトマーケットなど、以前から文化的な街だと思ってはいたのですが、本をテーマにしてもこれだけ見どころがあるとは、さすがです!
新刊本だけでなく、古書も貸し本も、お店の隅にある本棚も、どれもお店ごとに個性があって、一件一件が楽しかったです。
奥多摩で本をテーマにするとしたら、どういう形があるかな?
昨春に、奥多摩駅近くにあった「おくたま文庫」の店舗がなくなってしまってから、本屋ロスです。(現在は、鳩の巣にある「キコリカフェ」の一角に本棚はあります)。
週末に1日だけの営業だったのですが、にぎわっていました。感覚的には、地元のひととそれ以外のひとと、だいたい半々くらいの割合だったでしょうか。地元の移住者、特に家族連れが来ていて、いい雰囲気でした。
本好きが集まる場は、いいですね。奥多摩にもそんな場所ができてくるといいなぁ。
そういえば、鳩ノ巣にこんな場所もあります。不定期開催で、まだ行ったことがありませんが。
● 本棚のあるカフェを紹介していく
お店ごとに選書が違うだろうから、そこを巡るだけでも楽しいですね。
本を決めたら、眺めのいいところに快適な広めのベンチがあって、ごろごろしながら本を読めたら最高ですね。晴れた夏の日は、川に足を浸したりしながら読めたりするといいな。
本棚は、テーマが季節ごとに変化があって、冬は焚き火、春は野鳥とか。その道のプロにおすすめを聞いて、棚を作れてもいいですね。
● 自然の中で読書を楽しめるサービスはどうかな
快適に座れるチェアや、コット、川原だったらマットの貸し出しなんて、どうだろう?
一緒に、コーヒーやバテレのビールを選べたり、ピクニックランチもテイクアウトしたい。
荷物を預かるサービスもセットで。
会員制で、自分の本棚が川の近くにあってもいいかも。
本と椅子を、保管できるスペースを貸し出すサービス。
サービス名は「渓谷で本を読みたいの」。椅子を取り出したら、荷物を保管できる。要は貸しロッカーってことか。
● 駅ごとにあってもいいな
奥多摩は駅から歩いてすぐに渓谷にアクセスできます。
駅ごとに急峻な渓谷だったり、広い川原だったり、山だったり、雰囲気は違うので、それに合った本でもいいかな。
本を一冊携えて、川原や木陰で本を読むような文化を作れるといいなぁ。本の拠点となる場所が、駅ごとにあるといいのかな。
宿にも図書室があって、日帰りのひとにも利用できるような松本十帖本箱のようなところがあると、ひんぱんに行っちゃうなぁ。
奥多摩だったら、森とか山とか川とか土壌とか、そういった本のセレクトをしたいかな。いろんなカフェやお店でやったらおもしろそう!
ちなみに、しろまるカフェでは、1ダース文庫という本を貸し出すサービスをしています。
奥多摩の本好きに声をかけて、選書してもらっています。
白丸湖畔のベンチで、のんびりくつろぎながら本を読めます。
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